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処遇改善と重要性訴え大会―日本介護支援専門員協会

 日本介護支援専門員協会は12月7日、東京都内で「第3回日本介護支援専門員協会全国大会in東京」を開いた。来年の介護報酬改定に向けた議論が大詰めを迎える中、介護支援専門員の処遇改善の必要性やケアマネジメントの重要性などを訴えることが目的。会場には300人以上の介護支援専門員が集った。

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 大会ではまず、同協会の木村隆次会長があいさつ。「今大会は、介護報酬改定に向けて結集し、自分たちの要望を伝える最後のチャンス。1単位でも多い報酬を勝ち取りたい」と意気込んだ。また会場には、今月3日設立された「日本ケアマネジメント推進議員連盟」の発起人である鴨下一郎衆院議員(自民党)のほか、社民党の福島みずほ党首らも駆け付け、祝辞を述べた。

 続いて厚生労働省老健局の土生栄二振興課長が「介護報酬の行方」をテーマに講演。「居宅介護支援事業所が非常に厳しい経営状態にある」「特定事業所加算も取りにくい」などの問題点を指摘した上で、3日に開かれた介護給付費分科会で厚労省が出した「介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)」を紹介し、介護支援専門員にかかわる内容について解説。▽ケアマネ一人当たりの担当件数が40件以上となる場合、すべての件数に適用される現在の逓減制について、超過部分にのみ適用される仕組みに見直す▽特定事業所加算について、実態に即して段階的に評価する仕組みに見直す▽医療と介護の連携強化を図るため、入院時や退院・退所時に、病院などと利用者に関する情報共有などを行う際の評価を導入する▽ケアマネジメントを行う際、特に手間を要する認知症高齢者や独居高齢者に対する支援などについて報酬上での評価を行う―などの方向性を説明した。

 シンポジウムでは、「安心な暮らしを支えるケアマネジメントの確立のために―介護支援専門員にかかる評価の行方」をテーマに、木村会長、全国老人保健施設協会の川合秀治会長、全国老人クラブ連合会事務局長の齊藤秀樹常任理事など5人が発言した。
 川合会長は、「介護支援専門員は利用者の話を『聴く』ことが大切」と強調。「ケアプランは聴いたことの結果に過ぎない。利用者の話をすべてきちんと聴き、利用者のニーズを的確に把握したら、提供するサービスはみんな違ってくるはずだ。画一的なサービスにならないようにしてほしい」と述べた。齋藤常任理事も、「『危ない橋を渡らないように』と意識すると、サービスがパッケージ型になりかねない。苦しいことかもしれないが、介護支援専門員には、専門性を駆使して利用者本位のサービス提供を目指してほしい」と述べた。
 さらに、介護支援専門員に求められる「独立性」を指摘する意見も出た。川合会長は参加者に対し、「事業所の母体となる施設に利用者を回していないか」と問いかけ、「利用者のサポートは、施設完結、法人完結ではなく、地域完結にならないといけない」と指摘。また齋藤常任理事は、「ケアマネが中立的な活動をするには、『独立』することが大切」とした上で、「この独立性が、今回の介護報酬改定で完全に担保されるとは思わないが、たとえ半歩でも、あるべき姿には近づいた」と語った。
 木村会長は、「ケアマネには薬剤師出身、看護師出身、介護職出身などいろいろあるが、『元職(もとしょく)』にこだわって派閥を作っていては話にならない。介護支援専門員という、ケアマネジメントのプロの職能集団として認めてもらえるよう、一枚岩になっていくことが重要」と指摘。さらに、「現状では、介護支援専門員一人一人が、きちんと施設の経営者などに対し、処遇改善やケアマネジメントのプロとしての評価、適切な人員配置などを求めていくことができているとは言えない」として、「現状を変えるには、現場からの発信が必要」と訴えた。


更新:2008/12/08 15:20   キャリアブレイン

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