広がるネット医療

 苫小牧市立病院の地域医療連携ネットワークシステムが本格稼働し、ネットに加入する医療機関が増えている。患者の治療状況や検査情報を、インターネットを通じて紹介元の医療機関へ提供する仕組み。地域の医療機関と役割分担しながら一人の患者を治療する「病診連携」を推進していく方針だ。
 市立病院に患者を紹介した地域の医師が、治療経過をリアルタイムで確認できるようにするシステム。市立病院でどのような処方や手術、投薬を受けているか、体調はどう変化しているかなどを、ネットのパソコン画面で把握できる。CT(コンピューター断層撮影装置)の画像データも見ることが可能という。
 市立病院は「病診連携」強化策として今年夏に、患者の個人情報保護ガイドラインを整備し、情報提供する患者データを登録医師だけがパスワードで見ることのできる仕組みもつくった。
 ネットに加入する内科系、外科系の医療機関は徐々に増え、これまでに苫小牧市内や安平町、日高町などにある14機関が参加ている。さらに2カ所から加入希望があるという。
 システムを扱う市立病院地域医療連携室によると、ネット加入の医療機関からこれまでに35件の患者紹介があった。紹介元の医師は、市立病院を退院した患者が再び診療に訪れた際、適切に処置、投薬できる利点がある。
 大きな病院と地域の診療所が役割分担し、1人の患者の治療に当たる「病診連携」は医療の潮流になりつつある。東胆振や日高地方の基幹病院を担う市立病院は、さらに地域の医療機関にネットワークを広げていき、「病診連携を強め、安心の地域医療の構築につなげたい」としている。
 

米軍訓練移転受け臨時騒音測定局

 在日米軍の訓練移転が航空自衛隊千歳基地で始まったのを受け、苫小牧市は8日、市内3カ所に臨時測定局を設置した。各測定局に職員1人を配置し、飛来するF15戦闘機の騒音をチェックしている。
 市内に騒音測定の常時局が5カ所にある。臨時測定局は、沼ノ端7号公園、沼ノ端北5号公園と新明町のひまわり公園の3カ所。2月の訓練時と同じ場所だ。
 8日は午前10時半から各局に職員1人を配置し、F15戦闘機の飛来時の騒音測定を始めた。9日からは各局配置2人にする。
 

【浦河】歳暮用に人気 味だこ作り
ゆで上がったタコを従業員が素早く処理
 師走に入り、浦河町内の水産加工会社は、歳暮用のタコ加工品づくりに大忙しだ。11月から生産量を徐々に増やし、今が最盛期。
 小林水産(小林正治社長、荻伏町)の主力商品の一つ「味だこ」。近海で水揚げされたばかりの新鮮なヤナギダコを、従業員たちが試行錯誤で完成させた自作のまき釜に入れて一気にゆで上げる。サクサクとした食感と素材のうま味を引き出し、中元、歳暮シーズンには道内外から大量の注文が入る人気だ。
 角貴文製造部長は(33)は「タコは質の良いものを厳選して商品化しており、食感が命なのでチルドのみで販売しています」と話し、朝から慌しく製品づくりに追われている。作業は年末ぎりぎりまで続くという。
 味だこは、うめ味、しょうゆ味の2種類(各500c、1260円)。開きホッケやタラコ、明太子なども扱っている。問い合わせは、電話0146(25)2225。
 

蓑和田被告 殺意を否認

 苫小牧市春日町のアパートで、義理の姉の蓑和田洋子さん(当時66歳)を殺害したとして殺人罪に問われた苫小牧市緑町、板金工蓑和田弘被告(57)の初公判が8日、札幌地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれた。蓑和田被告は、殺意を否認した。
 検察側の冒頭陳述によると、蓑和田被告は6月6日、5月分の給料が思っていた以上に少なく、「今後前借りはできない」というメモが入っていたことに不満を持ち、問いただそうと洋子さんが住むアパートを訪ねた。口論となり、ガラス製花瓶の破片で首を数回刺し、殺害した、としている。
 検察側は「犯行が悪質。再犯の恐れが高い」と指摘。弁護側は、すぐに戻ると思いタクシーを待たせていた点や、ガラス片を押し付けようとしたが、「突き出ていたことを知らずに、首に刺さった」と主張した。
 蓑和田被告は、兄が経営する板金会社に勤務。洋子さんは、経理を担当していた。裁判は、公判前整理手続きがとられ、「殺意の有無」が争点となっている。
 

【むかわ】障害者の就労支援枠拡大へ

 むかわ町穂別の社会福祉法人・愛誠会(酒井伊和男理事長)は、障害者に就労機会を提供している穂別稲里のほべつ就労・生活支援センター緑竜アペラスを増改修する。来年3月までに整備を終え、「利用者がより快適に過ごせるようになれば」と話している。
 利用者の利便性を高めるほか、障害者自立支援法施行に対応した措置。法人の入所型事業所の利用者が、新たな障害程度区分の認定で、入所基準に達しない人も出たため、その受け皿として施設を広げる。さらに、鵡川地区からも受け入れることにしている。
 工事は改修130平方b、増築130平方bで、総工費は2360万円。障害者自立支援対策臨時特例交付金を活用する。定員を10人増やして41人とするほか、作業スペースや休憩場などの拡充、調理場新設による食事、シャワースペースも新設する。
 6日に工事の安全祈願祭が行われ、法人や施設、業者から30人が出席した。酒井理事長は「(就労体制の整備で)利用者が働く喜び、楽しみをさらに深めてくれれば」と期待していた。
 

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