神戸市中央区のテレホンクラブ「リンリンハウス」の系列2店に00年、火炎瓶が投げ込まれて客ら8人が死傷した事件で、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた元会社役員の坂本明浩被告(48)の判決が8日、神戸地裁であった。岡田信裁判長は「実行犯に火炎瓶での放火を指示した」と述べ、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。
また、広島市の広島東署に04年に銃弾1発を打ち込んだとされる銃刀法違反と組織的犯罪処罰法違反(建造物損壊)の罪については、「共謀していない」などとして無罪を言い渡した。
判決によると、坂本被告は元テレクラ経営者中井嘉代子被告(67)=一審・無期懲役判決、控訴=にライバル店だった同2店の経営妨害を頼まれ、00年3月2日午前5時ごろ、実行犯の男3人(2人は無期懲役確定、1人は今年7月逮捕)への火炎瓶投げ込みを指示。このうち1店の客4人を死亡させたほか、客や店員計4人に重軽傷を負わせた。
坂本被告側は放火の指示について、公判で「(実行犯の3人に)2店の営業を2、3日妨害するだけでいい、とは言ったが、火炎瓶を投げ込めとは指示していない」として無罪を主張していた。