ハンセン病元患者ら旧らい予防法の被害者に社会生活を取り戻してもらうため、ホームステイの仲介活動に取り組む豊前市の「ホームステイセンター・柿の木」(谷崎和男世話人代表)が6日、年末餅つき大会を市民会館前で開き、支援者ら約100人が参加した。
餅つきは「顔が見える交流」で被害者が社会復帰しやすい環境を作ろうと始め、今年で7回目。鹿児島県鹿屋市の「星塚敬愛園」や岡山県瀬戸内市の「長島愛生園」の入所者ら5人を招いた。
準備したもち米は約120キロ。市立八屋中の野球部とバスケットボール部の27人と、東九州龍谷高(大分県中津市)の空手道部16人が威勢よくついた。豊前天狗(てんぐ)太鼓による和太鼓演奏もあり、被害者たちは楽しそうに聞き入っていた。
16歳で長島愛生園に入所して50年になるという男性入所者(66)は「こういう経験はあまりなく、とても楽しい」と笑顔を見せ、八屋中2年の日高翔君(14)は「少しでも元患者の人に喜んでもらえたら。もっとハンセン病について知る人が増えてほしい」と話していた。【出来祥寿】
〔京築版〕
毎日新聞 2008年12月7日 地方版