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倒産5カ月、負けまへん 一時金など求め社内泊まり込み(1/2ページ)

2008年12月8日7時12分

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写真バザー会場を訪れた人(左)に商品の説明をする印刷会社の元社員たち=6日午前、京都市右京区、佐藤写す

 6月に倒産した京都市右京区の印刷会社の元社員24人が、未払いボーナスの支給などを求めて5カ月余り社屋で泊まり込みを続けている。多くは再就職先が決まらず、失業保険で食いつなぐ。「不景気のあおりを受けた中小企業の実態を知ってほしい」と6日、会社の備品を販売するバザーを社屋で開いた。

 「会社は破産した。今から30分以内に私物をまとめて出て行くように」

 6月27日夕。学習参考書や経典などを手がけてきた「大美堂印刷社」の事務室に集まった社員約50人に、社長の代理人弁護士が厳しい口調で解雇を告げた。「いきなり何を言うとるんや」「出て行きなさい」。押し問答は約2時間続いた。

 売上高はピークの00年に22億円あったが、受注競争激化や景気悪化で徐々に落ち込み、破産時は3分の1になっていた。

 弁護士が帰った後、社屋に27人の社員が残った。夏のボーナス計約1300万円が未払いのまま。「出て行ったら会社と交渉する手だてがなくなる。ここに残ろう」。労組執行委員の谷村雄二さん(58)らが提案した。

 その日から、作業場のコンクリート床に布団を敷いて泊まり込んだ。7月中旬から交代制になり、毎晩最低2人が「宿直」。夏は冷房がないため暑さと蚊に悩まされた。今は印刷用紙の運搬に使った木製台を布団の下に並べて寒さをしのぐ。

 現在も社屋に残る24人のうち再就職が決まったのは8人。他の16人は40代が中心で、1人平均4、5社に求職したが、年齢や不景気が響いてほとんどが書類選考さえ通過できない。この間、元社員たちは一時金支払いや再就職先あっせん、就職活動費の支給などについて社長に団体交渉を求めてきた。「みんなが集まる場所があるから、くじけずにいられる」という。

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