県西部の公立病院守る 三好でシンポ、地域医療在り方討論 2008/12/8 10:50
医師不足が深刻な徳島県西部の地域医療を考えるシンポジウムが七日、三好市池田総合体育館であり、公立病院の在り方についてのパネル討論などに市民ら約三百人が耳を傾けた。
パネリストは、つるぎ町の三村經夫病院事業管理者、みよし広域連合東消防署の上川芳朗救急救命士、「三好病院を応援する会」の伊丹一夫会長ら五人。
三村さんは、患者のクレーム増加、過重労働、低賃金などに医師が不満を募らせ、公立病院から離れていく現状を紹介し「医師の待遇改善や魅力ある病院づくりが欠かせない」と強調。上川さんも、「寒いから救急車で」「(救急隊員に向かって)入院するので荷物をまとめて」という急患が増えている点を指摘し、安易な利用を控えるよう呼び掛けた。
伊丹さんは「公立病院は地域の財産。官民一体となって病院を守っていく必要がある」と訴えた。
これに先立ち、塩谷泰一県病院事業管理者が「県西部における医療の現状と課題」と題して基調講演した。シンポジウムは、自治労県本部などでつくる「地域医療を考える会」が開催した。【写真説明】公立病院の在り方について意見を交わすパネリスト=三好市池田総合体育館