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円高で韓国旅行に“お得感” 県内旅行会社が還元緊急ツアー

2008年12月08日 08:40
特に韓国ウォンに対しての円高が進んでおり、日本円の価値は昨年同期比の2倍に。「今が行き時」と緊急ツアーを企画する旅行会社も
特に韓国ウォンに対しての円高が進んでおり、日本円の価値は昨年同期比の2倍に。「今が行き時」と緊急ツアーを企画する旅行会社も
 円高と燃料代の値下げを受け、海外旅行への関心が高まっている。特に注目されているのが韓国向け。韓国ウォンに対する円高が進み、円の価値は昨年同時期の2倍に跳ね上がっている。買い物など現地費用は半額で済むことになり、県内でも「円高還元」として緊急ツアーを企画する旅行会社が出てきた。半面、海外からの旅行客は減少が予想され、蔵王温泉などではブランド力を生かした海外PRや国内誘客に力を入れている。

 「円高で現地での買い物などの費用が格段に安いし、1月からは燃油サーチャージ(航空会社の燃油特別付加運賃)が大幅に下がってくる。実はこれからが海外旅行のチャンス」。JTB東北山形支店の村上智店頭営業課長は言う。

 同支店では、ツアー商品は現行のもの(成田・羽田空港発韓国2泊3日食事なしで1万7800円からなど)を使っているが、海外で買い物などがどれだけ得なのか一目で分かるよう、昨年と比較した一覧表を急きょ作成した。

 5万円を両替した場合、11月上旬で昨年と今年を比較すると、オーストラリアドルが1万6800円、ユーロが1万2000円、USドルが6600円分、昨年より得だ。「年末年始の旅行申し込みのピークは過ぎたが、12月になるとキャンセルによる空きが出てくる。これからでも遅くはない」と村上課長。現地での「お得感」を来店者らに売り込んでいる。

 一般的に、旅行価格は2カ月ほど前に決定する場合が多いが、山新観光は中小企業の「小回りの利く」(同社)強みを生かし、急激に進んだ円高のメリットを反映させたツアーを緊急企画した。特に円の価値が2倍になっている韓国向けをそろえた。

 1月の週末を利用した新潟空港発着、2泊3日、ソウル市内観光と現地で6回の食事付きで1人4万9800円。本県在住者限定で販売している円高還元ツアーだ。さらに1月5日からは、仙台空港発着、2泊3日、ソウル市内観光と現地で5回の食事付きで1人3万9800円の初売り特別商品を販売する。「首都圏ではすでにブランド品などの買い物目的で韓国に行く女性客が増えていると聞く。庄内から近い新潟空港や仙台空港を発着する便利さも売りにしたい」と同社。香港、マカオ、台湾、ベトナム向けなど、平均して昨年より3割安いツアーをそろえ、勝負を掛ける。

 半面、海外からの誘客は厳しい状況だ。県ソウル事務所の大泉定幸所長は「韓国から日本への観光客は昨年より半減しそう」と現状を分析しながらも、「冬期間、韓国から本県に向かう観光客に人気なのが蔵王温泉と同スキー場。ブランドイメージを生かし、インターネット広告などのPRも強化していく」と意気込む。蔵王索道協会の小関和夫会長は「スキー場に託児所を開設したり、シーズン中に好きな分だけ利用できる18時間券も導入したり、新たな戦略も実行している。海外へのPR強化はもちろんだが、海外から減少した分を国内でカバーできるよう、地域一丸となって取り組んでいく」と話していた。

【メモ】日本航空と全日本空輸の発表によると、燃油サーチャージは、1月発券分から韓国が2500円(現在4000円)、ハワイが1万4500円(同2万2000円)、北米・オセアニアが2万2000円(同3万3000円)。値上げ傾向から一転した。

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