「木箱の家」住まいづくりファンド（エコファンドビジネスモデル=エコ住宅ローン）

このビジネスモデルは、森林を再生し安定的に良質な木造住宅を供給するためのもので、
環境事業に投資するエコファンドといわれる種類の投資信託です。
まず、金銭の運用を目的とする「木箱の家」信託会社㈱を設立します。
「木箱の家」信託会社㈱は、林業、木材業、木造住宅建設業関係者から、金銭の運用を受託し、
国産木材を使った住宅「木箱の家」の購入や建築の特定の目的に対して融資を行います。
低金利で融資することによって、トータルの返済額が他の住宅ローンより少なくなり、
債務者は、国産木材を使っても、外材との価格差以上のメリットが得られます。
下記の参考をご覧ください、金利差のメリットが分かります。
また、委託者兼受益者は、木材の販売や建築の実業の他に、金銭の運用による配当を受けることができます。
しかし、この場合、高額な配当を期待するものではありません。

参考：3000万円を35年借りた場合、下記の金利の違いで返済総額に1040万円の差が出ます。
金利2.5％の返済総額4504万円（「木箱の家」信託会社㈱の金利）
金利4.4％の返済総額5544万円（平成20年1月の金融機関の金利）

エコ住宅ローンの事例
東邦銀行　エコ住宅応援プラン（金利優遇）
四国銀行　高知県産木材住宅ローン（金利優遇）
京都銀行　エコ住宅ローン（金利優遇）

「木箱の家」の建築概要

１．木箱の家のコンセプト
（１）開発コンセプト
日本の木造住宅の寿命が、３０年ぐらいととても短いことは、周知の通りです。
住宅の耐用年数が短いことで、住宅を取得するコストが高負担になっています。
また、高額な投資の割に将来の資産としての価値が低く、住宅の取得が老後の蓄えになっていません。
今回、「木箱の家」を開発するにあたり、長く使える住まいをつくり、
住宅の資産価値を高めることを開発コンセプトとしました。

長く使うためにまず着目する点は、基礎、外壁、屋根、構造が堅牢であることです。
そして、ライフスタイルの変化に対応できるよう、内部が自由にリフォームできるようになっていることです。
住宅の資産価値を高めることは、例えば、働き盛りで家族の人数が多い時には、郊外の戸建て住宅を取得し、
定年退職後の夫婦２人暮らしになった時には、利便性の高い中心市街地のマンションに転居するなど、
ライフスタイルの変化に対応する手助けとなります。

※最近では、中心市街地に、高齢者のための生活支援サービスが受けられる、
　ケア付きマンションが整備されてきました。

（２）木箱の家は、どうして木造なのか？
住宅に使われる一般的な構造には、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造があります。
その中で木箱の家は、主に集成材を使った木造になっています。
その訳は、

①国内には、森林資源が沢山あります。
現在、植林をして30年から50年育てた木が、身近な山に沢山あります。
住宅の建築材料として、木材が調達しやすい環境にあります。

②木材は、再生産できます。
計画的に植林をしていけば、木材を安定的に供給することができます。

③木は、地球温暖化ガスの排出を抑制します。
木は、成長する時にＣＯ２を吸収固定します。
木造住宅は、ＣＯ２を固定している状態で建っています。
そして、解体焼却するとＣＯ２を排出します。
木造住宅は、ＣＯ２を循環させ、新たな排出を抑制しています。

④木材は、加工がしやすい。
長く使うためには、ライフスタイルの変化に合わせ、間取りを変えたり、
仕上材や設備機器の更新によるリフォームが欠かせません。
木材は、加工がしやすいことから、リフォームを容易にします。

（３）木箱の家は、居心地のいい住まいです。
居心地のいい住まいには、３つのテーマがあります。
①使いやすい：機能的で使いやすい。
②心地好い：室内気候が体に良く、心地好い。
③楽しい：寛げ楽しく暮らせる。

（４）木箱の家は、「Japanese compact house」です。
日本の「ものづくり」が得意とする、コンパクトカー、携帯電話、ゲーム機のように
「コンパクトで高性能な住まい」をイメージしています。
地球環境問題に対応する住まいとして、将来は、世界の住宅市場に普及していくことが期待できます。

（５）木箱の家の特長
①スケルトン・インフィルの建築システム
木箱の家は、建物を長く使うための建築システムとして、
スケルトン・インフィル工法になっています。
建物の外殻である基礎、外壁、屋根、木造軸組み(構造躯体）
のスケルトンは、堅牢で長持ちするようになっています。
そして、内部の床、内壁、天井、設備のインフィルは、
リフォームが容易にできるようになっています。

②スケルトンの仕様（下記の材料費は、定価ベースでの参考価格です。）
－(1)基礎
鉄筋コンクリートベタ基礎です。

－(2)木造軸組み（構造躯体）
柱、梁、筋交いの木造軸組みからなる在来工法です。
南面の大きな開口や、部材接合部の補強を最新の工法で行い、
従来の木造在来工法より、はるかに地震に強い構造になっています。

－(3)外断熱
高性能フェノールフォーム断熱材を、
床、外壁、屋根の木造軸組み（構造躯体）の外側全体に張り、
断熱性能を高めています。
旭化成ネオマフォーム
http://www.asahikasei-kenzai.com/akk/insulation/neoma/index.html
Ⅲ地域　等級３　在来工法の場合　壁40mm×210㎡　屋根40ｍｍ×75㎡　
680,000円(消費税別）

－(4)外壁透湿防水
外壁内と屋根内の湿気を外部に透過し、内部結露をなくし、
かつ防水効果のあるシートを張ります。

－(5)外壁仕上げタイル
光触媒を活用した、メンテナンスが容易なハイドロテクトタイルを
乾式工法で張ります。
TOTO壁自慢
http://www.e-seikatsutoto.com/tilehouse/kabejiman/index.html
二丁掛　平　210㎡　2,646,330円（消費税別）

－(6)屋根下地防水
屋根の下地防水にアスファルトルーフィングを敷設します。
日新工業カラールーフィング
http://www.nisshinkogyo.co.jp/kodate/index.html
75㎡　20,000円（消費税別）

－(7)屋根仕上げステンレス
屋根の仕上げは、腐食に強く長持ちする、
カラーステンレス葺きです。
タニタハウジングウェア　本掛一文字葺き
http://www.tanita-hw.co.jp/item03/ichimonji03.htm
75㎡　1,545,000円（消費税別）

－(8)換気棟
外壁と外部断熱材の間に通気層を設け、
外壁と屋根の暖気を屋根の換気棟から排気し、
心地好い室内気候をつくります。
タニタハウジングウェア換気棟
http://www.tanita-hw.co.jp/item03/munamado03.htm
棟まどS形　209,700円（消費税別）

－(9)外壁部分の開口
建具枠は、一般地域は、アルミ製で、寒冷地域は、樹脂製です。
ガラスは、断熱複層ガラスで断熱性能を高めています。
トステム　外部アルミ製＋内部樹脂製サッシュ　複層断熱ガラス　Ⅲ地域
http://www.tostem.co.jp/lineup/sash/dannetu/symphony_wm/function.htm
シンフォニーウッディー　2,333,940円（消費税別）

－(10)アルミ庇・ガラス庇
庇には、ドライミスト冷房用の噴霧口を取り付け、
夏季の冷房空調機の使用を低減します。

（６）予算にあわせた３タイプの仕様
上記のスケルトンは、最高グレードの仕様になっています。
基礎と木造軸組み（構造躯体）は同じで、それ以外の部材の
仕様を変えることでハイグレード、スタンダード、ローコスト
の３つのタイプが用意できます。

（７）モジュール
今回の設計では、柱芯芯が910ｍｍのモジュールを採用していますが、1000ｍｍモジュールに
置き換え、通路幅を広げ、全体の床面積を１割り増しにすることもできます。