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重要品目数、原則4%に WTO閣僚会合へ大枠合意案
このニュースのトピックス:通商・貿易
世界貿易機関(WTO)は6日、新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の農業と鉱工業品分野の大枠合意に向けた改訂議長案をまとめ公表した。農業分野では、日本のコメなど例外的に関税の引き下げ幅を抑えることができる「重要品目」の数について、原則で全品目の4%、条件付きで最大6%とした。原則4〜6%、最大8%だった7月の議長案から大幅に絞り込まれており、「最大8%」を主張してきた日本には厳しい内容となった。
議長案公表を受け、日本の農林水産省は「主張が受け入れられるように、今後も交渉で最大限努力する」とし、従来の立場を変えない姿勢を示した。
日本の場合、全1332品目のうち200%超の高関税をかけている品目だけでも、コメや乳製品など全体の7・6%に当たる101品目に上る。最大6%になれば、重要品目の数は30品目近く減り、指定を外れると、最高70%の関税引き下げを義務付けられる。
指定が確実なコメだけでも17品目あり、56品目ある砂糖などが指定できなくなる。輸入品の値下がりにはつながるが、対象農家は大きな影響を受ける。
日本は8%を死守したい考えだが、WTOのラミー事務局長は6日の声明で「各国は非現実的な要求をしたり、柔軟性のない立場を取るときではない」と述べ、年内合意に向け各国の政治決断を強く求めた。
WTOでは13日前後に非公式閣僚会合を開きたい意向とされる。鉱工業品を含め各国の隔たりは大きく、年内合意はなお不透明だが、最大6%の流れが強まる懸念もあり、日本は厳しい交渉を迫られる。