県民と医療関係者との相互理解を目的とした初めての県民公開医療シンポジウム(県病院協会主催)が6日、岡山市内のホテルで開かれ、県内医療の在り方について約250人が考えた。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(大阪市)の辻本好子理事長が「良い医療とは」と題して講演。医師らに対し「治療や入院など医療者にとっては日常でも、患者には非日常の事態であることをくみ取ってほしい」と強調。医療には限界があることや、本人が治療方法を決めるべきことなど患者の意識改革も求めた。
その上で「患者と医療者の関係は恋愛のようなもの」とたとえ、信頼関係の構築には「インフォームドコンセント(十分な説明と同意)を活用した双方向の継続的な努力が重要」と強調した。
シンポジウムでは、金田病院の金田道弘理事長が、医療機関や消防本部が「顔の見える」連携システムをつくることなど救急医療の崩壊を食い止めるための“処方せん”を地域、県、国に提案した。
県保健所長会の二宮忠矢会長は、岡山市など県南東部の医療機関同士が脳卒中の治療で連携するためのクリティカルパス(計画書)活用に向けた取り組みを紹介。山陽新聞社会事業団の阪本文雄専務理事は地域間の医療格差是正を訴えた。