ライター 長谷井涼子
フリーのエディター兼ライター。『住宅情報マンションズ』『住宅情報タウンズ』『都心に住む』など、リクルートの住宅情報誌でかれこれ10年、マンションやローンについて取材、執筆。昨年8月に長男を出産。 それを機に、最近は『赤すぐ』でもお仕事してます! 得意分野はモデルルーム見学術、収納、女性の視点のマンション選び。
わが息子
堂々としたたたずまいと、マイペースな気質で、あだ名は「社長」。完全に父親似
私が購入したのは、当時築9年の中古マンションで、典型的な3LDK。そこで、水まわりはそのままに、和室を半分つぶして、リビングを12畳から15畳に広げるリフォームを敢行。南側の出窓に面したスペースを私の仕事場としました(一番過ごす時間が長いから!) 。そして、和室は45cmほど上に上げ、下に収納をつけ、3畳のちょっとした空間に。ここは普段は夫がパソコンをするスペースとして、もしくは友人が泊まりにきたときの寝室として活用していました。
出産直後は、この3畳のスペースが子ども(と私)の寝場所に。新生児のころはほぼ一日そこで過ごすので、なるべく明るいところがよかったことと、生まれたのが真夏だったためエアコンがほどよい距離であることが理由でした。ところが、リビングとひと続きのため、息子が寝た後にテレビが見にくい、仕切りの引き戸がガラスのため、圧迫感はないけれどリビングのあかりがもれて落ち着かない、など弊害が。そこで、北側の洋室のベッドルームで寝かしつけ、夜中最初に起きたとき、3畳スペースに移動させる方法をとったり、試行錯誤。結局、寒くなりはじめたころ、オイルヒーターを投入し、その洋室をベビーの寝室にしました。つまり、クィーンサイズのベッドに私とベビーが一緒に寝ることに。添い寝しながら授乳し、寝入ったら、私がそぉ~っと抜け出すという方法をとっていました。
最初のうちは、それでOKだったのですが、ベビーががんがん寝返りをし始めると、弊害が…。
もともとのんびり屋で当時はジャンボ赤ちゃんだった、我が息子。寝返りをし始めたのは7カ月の頃(通常は4カ月ぐらい)とかなり遅かったため、油断してました! ベビーの寝相の悪さを…。ある日、いつものように、寝かしつけてから、私はベビーをベッドに置いたまま、リビングで夫とテレビをみておりました。そうしたら、「ゴォン!」と鈍い音がしたかと思うと、火がついたような泣き声が…。そう、ベビーがベッドから落下したのでした…。ほんと、ごめんなさいっ!
そこで、とりあえず、ベッドの下には布団を二重に敷き、6畳の洋室を布団だらけにしました。ベッドに柵をつける方法もありますが、どこから落ちるか全くわからないのが、ベビーの寝相。ごろんごろんまわって、ベッドを縦横無尽。360°1回転だって、お手のもの。しまいには、むくっと起き上がってハイハイでどこかに行こうとする始末。だから目が離せなくなり、寝かしつけた後、ひとりで放っておくことができなくなりました。
となると、結論。「布団のほうがよくない?」っていうこと。実家に帰ったときは布団で寝ていたけれど、ラクちんでしたっけ。どんなに転がろうが、床とひと続きだから、落下の心配なし。私の友人も言ってましたっけ。「結局、ベッドの横に布団を敷き、そこに寝ている」と。しかも、その友人の娘は寝たまま転がっていき、クロゼットの中まで入り込んでしまったとか。うちの姉も「うちの息子(小4)はいまだにベッドから落ちている」といってましたし、ダンナは2段ベッドから落ちたこともあるらしい。恐るべし。
そして思い出したんです。昔、雑誌の仕事で、子ども部屋の記事でアンケートをとったときに、びっくりするくらい「和室で寝ている」という答えが多かったことを! パパだけはベッドルームで寝ている場合も多かったけれど、子どもとママは和室を寝室にしている率が、思っていた以上に高くて、「やっぱり日本人は布団なのね」と思っていたのですが、そんな感情論じゃない、切実な問題があったわけですね~。
(日本人は添い寝の習慣が当たり前だけど、これは欧米からみると、少数意見らしい。ただし、最近はこれも「いいこと!」と認められつつあるそう)
ただし、マンションの間取りにおいて、和室はリビングの横か奥にあります。だから、リビングのすぐ近くだから落ち着かない、という難点はあるわけで…。しいていえば、リビング横のバルコニーに面した和室のほうが、完全にふすまを閉めても日が当たるので、けっこう独立した部屋として使えるかも。
ともすれば、共働き時代には「和室なんていらないわ~」と思いがちだけど、やっぱり便利ですよ~。公的施設の子どもが遊べる場所をみても、和室のほうがこけても柔らかなせいか、和室率、高いですからね。