先日、息子は人間関係に悩んでいる様子でした。小さい頃からおとなしくて真面目すぎる息子は、友達のからかいを軽くかわすことができず、すごく苦痛に感じてしまうのです。
低学年のころよりだいぶマシになってきたようですが、先日は、家に帰った後も、しつこくからかわれたことを思い出し、すごく苦しそうな様子でした。
ああ、こういうとき、どうすればいいのか、なんて言ってやればいいのか……。
息子は私に似てしまったようなので、私の体験からいろいろなアドバイスを試みましたが、それがどうもうまく言えません。
困った私は本棚に向かいました。心の中で、「どうか、今の息子にピッタリくる本を選ばせてください」とお祈りしながら。
そして手に取ったのが、「誰でもすばらしい運を持っている」(七澤公典著 たちばな出版)でした。
目次を見ると、第二章に「人間関係の悩みは正面から当たろう〜頭で悩むことはない、行動しよう〜」と書いてあります。
おおっこれこれ! と思い、息子に渡しました。
息子は普段、あまり本を読まないのですが、その時はよっぽど悩んでいたらしく、さっそく読んでいました。
その後、息子はその本についての感想などを一言も言いませんでしたが、さっきまでの、心をかき乱されているような様子ではなくなり、いつもの明るい感じに戻っていました。
ホッ。あの本が役に立ったようだな……。
その時私は、「もう図書館で働けなくてもいい。読書案内ができなくてもいい。自分の子供に、必要な本を、適切な時期に与えてやれれば、それで満足だ」と思いました。
図書館で働いていた頃、子供に与える本の相談を受けたとき、「お子さんは今、何に興味を持っていますか? 」と尋ねても、知らないお母さんがとても多かったです。
何で?????
その子供についてよく知らなければ、適切な本を与えることなど不可能でしょう。この年代にはこれ、なんていう与え方ではぴったり来ない場合も多いのです。
私は今、図書とはまったく無関係の仕事についています。毎日忙しく、バタバタしています。
でも、息子が必要としている時に、適切な本を与えてやれるよう、息子をしっかり見守ろうと思います。
結局、それが私の「やりたいこと」の一つなのですから。