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中国人研修生の権利保護強化へ、大使館総領事に期待する

3月中旬、私は「日本の農業を支えているのは劣悪環境に耐え忍ぶ外国人研修生」と題して、本コラムで過酷な労働条件のもとで働く外国人研修生、特に中国人研修生の実情を取り上げた。読者も多くのコメントを残してくれた。研修生問題に対する読者の関心の高さがうかがえる。

いや、厳格に言えば、研修生問題を通して日本の労働集約型産業の人材確保の問題が透けて見えてくるだけに、人々が高い関心を見せてくれた、と言うべきであろう。しかし、外国人研修生の問題は、研修生を送り出す中国側の体制にも問題があると強調したい。

まず、読者のコメントの一部をここで引用しよう。

・「詐欺まがいの低賃金労働抜きに立ち行かないビジネスモデルはそれ自体がおかしい。外国人労働者にまっとうな賃金を払って農業を営むように法律・制度を変えるべきだ。(介護ビジネスや製造業でもまったく同じ)」(maha-rao氏)
・「製造現場でも聞くこの研修という名の下に行われる搾取について、厳しく取り締まっていかねばならない。単純に人件費削減しか求めない経営者等がのさばるようではいけない。今回のような犯罪でしかないようなのはキッチリ罪を問う事にすべき」(としろう氏)
・「与えられた資源を活用できない農家が淘汰されないならば、農地解放は結局のところ失敗ということになる。中国人だろうが、なんだろうが奴隷労働は許されるべきではない。奴隷労働が無ければ成り立たないような農家は廃絶されなければならない」(Neon/himorogi氏)
・「中国人研修生の手を借りなければ立ちゆかなくなる農家はかなりいる。それも大規模農家で。農地があっても、生産に必要な労働力が確保できずに、全部の畑を使い切れないという農家も珍しくありません」(陸のあざらし氏)
・「中国農民の窮状を逆手にとって搾取構造がまだあることに日本国民としてやりきれなさを感じています。……研修精製度の点検見直しを早急に取り組む必要があると思います」(Mota氏)
・「日本農業は働く人がいないのです。……農業の担い手が確保できない中で自給率引き上げなんてとてもできない相談です」(実家が農業の元サラリーマン氏)
・「ILOの報告でも、日本に限らず世界各地で農業就業人口が減少しているとされています。日本だけではなく、世界の胃袋をどのように支えてゆくかが問題となってゆくと思います」(歯車王氏)

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