▽医師や住民団体「コンビニ受診」議論
地域救急医療の在り方を考える市民講座「みんなで守ろう!ひろしまの救急医療」(広島市医師会、中国新聞社主催)が六日、広島市中区の中国新聞ビルであった。特に、軽症でも休日や夜間に救急外来に駆け付ける「コンビニ受診」について議論が集中。医師不足が深刻化する中、市民、行政、医療機関はどうすべきかについて意見を交わした。
約百五十人が参加した。兵庫県立柏原病院(丹波市)が医師不足で小児科の診療を制限した際、医師の増員を求めた住民団体の代表丹生(たんじょう)裕子さんが基調講演。子どもがどのような状態の時に病院に連れて行けばよいのかが分かる冊子を作った活動を紹介。「地域医療を守るのは、住民一人一人の心がけ次第だ」と訴えた。
続くシンポでは、広島の救急医療の実情について行政、医師、子育て市民団体の代表者六人が報告。「子育ておたがいさま〜ズ」の金子留里代表は「核家族や共働きの増加で夜間診療に頼らざるを得ない人が増えている」と強調。広島市民病院(中区)の内藤博司救急診療部長は「不必要な受診も問題だが、軽症患者に抑制を促すのも疑問」と指摘した。
市は来年三月末、中区千田町に初の夜間急病センターを開設。計画では軽症者も午後十一時まで受診できる。センターを運営する市医師会の中西幸造理事は「できるだけ昼間に受診してほしい。それが地域医療を守ることにもつながる」と話していた。(東海右佐衛門直柄)
【写真説明】「コンビニ受診」や地域救急医療の在り方について考えた市民講座
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