Britty aka User:Aphaia の ウィキメディアプロジェクト回遊日誌
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日本語文語版と古文版、インキュベーターで仮運用中とのことだが、最近はほとんど、いやまったく動いていないように見える。
もはや放棄なんだろうか…?
LERKのWikiWiki日記 : そーいや
2008年2月に却下されていますね。
This proposal has been rejected.
This decision was taken by the language subcommittee in accordance with the Language proposal policy based on the discussion on this page. The closing subcommittee member provided the following comment:
The language subcommittee's policy does not allow Wikipedias in ancient languages (i.e. those with no native speakers, classified as "historical" by ISO 639-3). However, we encourage the creation of Wikisources in ancient languages, or incorporation of texts from that language into an existing Wikisource. Please add any Bungo materials to the Japanese Wikisource.Shanel 07:25, 23 February 2008 (UTC)
http://meta.wikimedia.org/wiki/Requests_for_new_languages/Wikipedia_Bungo
上記コメントにもありますが、ウィキソースを除いては、今後ネイティブスピーカーのいない言語プロジェクトの開設が許可される可能性はほぼ皆無かと思います。参考: http://meta.wikimedia.org/wiki/Meta:Language_proposal_policy
9月6日の「まだ終わらんよ」の続き。
ウィキクォート英語版で Poetlister(現 Quillercouch)とその靴下が解任された。ENWQで見つかった靴下は今のところ未使用のものも含めて6つ。すべてをブロックして、念のためそこで使われていた IP アドレスもブロック。open proxy は1年、他は3ヶ月。
いまのところすべてのアカウントに無期限のブロック。永久追放ではない。議論の参加者の半分くらいは永久追放を求めていたが、合意が成立しなかった。数ヶ月の猶予期間を置こうという人も含めると、半分が1アカウントを選んでの編集続行を許すべきだとの考え。enwiki の一部からは甘いといわれそうだが――あちらでは完全追放になった模様――小さいコミュニティではその分寛容さが求められるといったところだろうか。
もっとも enwiki Arb だって蛇か鬼かというわけではなく、当然なされるべき配慮はされていて、少なくとも我々のほうからは彼の個人情報は流出させていない。彼が関わっていたもうひとつのサイト関係者からいろいろなことが出回って、ついにマスコミにまで登場するに到ったが、それはもう致し方のないことだろう。彼が公表した情報だという以上に、これまでだって、いくらでも引き返す機会はあったはずなのだから。昨年5月、enwiki で一度無期限ブロックになった時点で、すべてを告白してアカウント一つでやり直していたら、あるいはこうはなっていなかった可能性もある。彼を直接に破滅させたのは、彼がなりすましに使った写真の女性の関係者、そしてその画像をコモンズに再アップロードした第三者だったのだが、なんで再アップロードなどされたかといえば、それは彼がつねづね主張していた、靴下疑惑からの身の潔白を証しするためだった*1。彼がなりすましを打ち明けていればあるいは起こらずに済んだことだ。
多重アカウントを使用して、やったことといえばややたあいもない。せいぜい多重投票と、自分がやった嫌がらせに対する他の管理者の管理権限執行の取り消しといったところ。それよりは、なりすましにからんで使われた写真のライセンスおよび著作権者についての虚偽申告のほうがやや重大かとも思う。
最初に多重アカウントが発覚した時懸念された、CU の不正使用は、いまのところなされなかった可能性が極めて高い。就任からの全ログを調べたが、ほとんどは通常の荒らし対策等のための CU 調査だった。残るひとつは Poetlister 自身の副アカウントへの調査なので、直接に誰かが被害を受けたというわけではない。この点ではほっとしている。
Poetlister のやったこと―とりわけ第三者の写真や名前を使ったなりすまし―は触法行為なんじゃないかとも思うが、私はイギリスの法律には詳しくない。どちらにせよ、それはイギリスの警察と法が裁くだろう。報道によれば、職場でも休職中で処分を待つ身とか。EN WQ のビューロクラット&管理者としては、ウィキのことにしか手は出せないし、出すべきでもない。コミュニティの合意を執行する以外にない。
なので議論を締めたあと、steward によって解任手続きが取られたのを確認して、無期限のブロックをした。そのあと、どのアカウントで編集を続行するか、希望をメールで OTRS まで送れと案内をしておいた。与えられたチャンスに彼が応えるかどうかは、もはや我々の問題ではなく、彼の問題だと思っている。聞こえてくる話はあまり芳しくはないのだが――彼が自らの過ちを償い、家族や周囲と、そして私たちと和解することが出来る日がいつか来ることを願う。
Poetlister 事件の RFC の直後、同じ日に始まったのが"On disbanding Wikiquote"、ウィキクォートを解体しようという提案。著作権違反が多いからというのだが 1) 記事1万時代のウィキペディア英語版なんかある意味もっとひどかった 2) 財団の弁護士である Mike Godwin は、ウィキクォート英語版などのテキストのフェアユースは適切であり、かつ著作権侵害についての公式な苦情申し立てである DMCA Takedown notice を受け取ったことはない、現状で問題があるとは考えていないと言明した*2 3) ていうか、「ウィキクォート」ってくくりが大雑把過ぎない? PDのみの日本語版とか、PDであろうとなかろうと出典必須のフランス語版とか、全然関係ないよね? と、もともとの雑な議論に対して、多方面から反論が押し寄せた。20日にめでたく却下の方向で議論は終結。数人から「あれは絶対成立しないから」と云われたとはいえ、渦中にいた者としては気が気ではなかったです。
この副産物として、ウィキクォート英語版では「著作権クリンナップ (Copyright Cleanup)」プロジェクトがスタート、著作権保護化にある作品、TV番組・映画・書籍などからの引用に量的制限を加えるとともに、出典のない引用の新規投稿を抑制しようというガイドラインをつくり、数名が既に投稿されている怪しそうな大部の投稿を大幅に刈り込んでいる。コミュニティの合意など知ったこっちゃない一部の匿名投稿者とはすでに編集合戦になっていますが、これはガイドラインを早期に公式な方針文書として正規化すると同時に、ページ保護機能などを機動的に用いることで対応できるかなと希望している。
……と中の人は思っているのか、あるいはようやく諦めたか、それともたんに時期を待っているのか。
ウィキクォート英語版の checkuser である Cato が一時的に権限を剥奪された。一時的にというのは最終的にはコミュニティが決定すべきだからで、とはいえこの問題についてウィキクォート英語版のほうでは、まだ表面化した動きはそんなにない。ほとんどの人には寝耳に水だったようで、なのでみんな事実を咀嚼するのに一杯なのだろう。あるいは告発者が約束した続報を待っているのか。
Cato が実は Poetlister のソックパペットだという告発がメタで行われた。もうひとつの管理者アカウントもそうだという。重大な告発なのだが、その割にはわりとコミュニティの側は静かである。あまりのことに言葉がないということなのだろうか。ウィキペディア英語版のほうから、かなり過去に終わった関係ない話題を持ち出してきた人がいて、それはさすがに数人からたしなめられてはいるが、きいちゃいない感じでもある。
CU が誰かの靴下だったなんて不祥事はいまだかつてなかったことなので、その分、動揺は大きい。コメントした関係者が「出来れば信じたくない」と一様にいうのもひとつにはそのことがあるからと思っている。もう一方で、Poetlister の「回心」を信じたかったというのもあるだろう。Poetlister は一度は別の管理者アカウントのソックパペットとしてウィキペディア英語版から無期限追放されながら、他のプロジェクトで地道に編集を重ね、5月にブロック解除された。ソックパペット使いの更正というのは物語として美しい。もっとも Poetlister 自身は回心とはいってなくって、つねに自分はソックパペット使いではない、以前の2007年のウィキペディア英語版からの追放は不当であると主張してやまなかったのだけど。
私が比較的落ち着いていられるのは、かなり前に情報をもらっていたからで、結果的に捜査に協力することにはなったものの、最初は純粋に話を通しておくということだったらしい。残念には思っているが――ことに Poetlister が主張していた身元が他人のものだった可能性が強いということ、ソックパペットなど使っていないという主張がかなり黒いということが、今回の結果から出てきてしまうので――その先をどうするかということのほうが自分の中ではいま大きい。あるいは、どこかで感情のブレーキが掛かっているのか。とても残念なんだけれど、不思議と裏切られたという気が起きてこない。あるいは自分の中で靴下使いについてはすでに結論が出ていたのか。
近いうちに結論を出さなければいけないが、その手続きをどうするかというのも考えないといけない。今週の半ばくらいを目処に次のステップに進むくらいでいいんだろうか。考えている。
関連エントリ:
追記: このエントリを書いた後、ウィキクォートを見に行ったら当のPoetlisterが*1黙々とスタブのフォーマット直しをやっていた。ううう。
*1:数日前にアカウント名を変更しているが