自転車が大ブームの中、トラブル急増 東京・府中市の堤防道路では自転車事故相次ぐ
女性や中高年の間でも大ブームとなっている自転車だが、ブームの裏で、事故などのトラブルが急増している。
メタボにエコ、ガソリン高騰対策に、今、自転車が大ブームとなっている。
自転車に乗る人は「やせましたね、5kgくらい」、「健康とエコ、あとメタボ対策も兼ねて」、「これは、オランダの自転車で『ベロモービル』っていう車種なんですけれども、きょうは100km以上走ると思います」などと話した。
中でも、スピードが出て長距離を走れるスポーツタイプが人気となっている。
1店舗あたりの販売台数は、2007年に比べて2倍に増えている。
しかし、こうしたブームの裏で、トラブルが急増している場所もある。
東京・府中市の「府中・多摩川かぜのみち」では、幅3メートルの道に、人と自転車が行き交い、2008年に入ってから、20件もの自転車事故が起きている。
事故を目撃した人は「(以前)子ども用の自転車がありますよね。それと競技用自転車が接触しちゃったみたいな」、「警察の方が来ていたりとか、人が横の方でしゃがみ込んでいたりとか」などと話した。
走っていた自転車のスピードを測ってみると、原付バイク並みの時速34kmを出している人もいた。
ランナーは「怖いですよね、スピード出されるとね」、「パッと右にずれた瞬間に、ものすごい怒鳴られたりとか」などと話した。
実際に、ここで事故に遭った田中亮一さんは「ここ(太もも)に入ってますね、金属が。(今も?)入っています」と話した。
2007年9月、スポーツ車で走行中だった田中さんは、買い物用自転車と接触した。
大腿(だいたい)骨骨折の重傷を負ったが、相手側は、すぐにその場から立ち去ってしまったという。
田中さんは「1カ月入院して、そのあと1カ月自宅療養して。わたしがその時にスピードを落とさなかったのが、そもそも悪かったのかな...」と語った。
こうした現状を受け、府中市は自転車がスピードを落とすようにと、2007年から一部路面に凹凸をつけて、2009年は、さらに増やす計画をしている。
府中市公園緑地課の大川 徹課長は「歩行者がまず優先だと考えていただいて、自転車の方はもう少しスピードを落として、歩行者やジョギングをしてる人とすれ違ってもらいたい」と話した。
自転車に乗る人は「もうちょいこう、前向きな対策はできないものかなって気がします」、「歩行者の方も、並走して走ったりしていますよね。やっぱり、それも事故の原因だと思うんですよ」などと語った。
ブームにともない、売り上げが伸びているという近くの自転車ショップでは、マナーの向上を訴える。
「ワイズロード・府中多摩川」の内田文哉店長は、「一番大事なのは、自分勝手な走りをしないってことですかね。1人で走ってるわけじゃないんで、特にスピードも出ますから、周りにもうちょっと気を遣って乗っていただくのが一番いいと思います」と話した。
一方、大阪府では、1日から「携帯電話でメールしながら自転車を運転する行為など」、「大音量で音楽などを聴きながら自転車などを運転する行為」が禁止された。
これを違反すると、5万円以下の罰金が科せられる。
(12/01 18:48)