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2008年12月7日

 「赤信号みんなで渡れば怖くない」は、ひと昔前にはやった漫才のギャグである。が、組織的な不正が横行し無責任さが目につく今日の社会を言い当てているように思える

厚生年金の記録改ざん問題で、厚労相はこれまでの戸別訪問調査について、県内を含む56%が「記録が正しくない」と回答したことを明らかにした。おまけに10%が社会保険庁職員の関与を指摘している。厚労相はすでに改ざんは「日常茶飯事」と組織的関与を認めており、それを裏付けた格好だ

問題発覚から開いた口がふさがらない。集団で行動すれば気づかれないと思うからか、それとも集団の中にいれば楽だと考えるからなのか。改ざんに関与した職員は保身以外の思考が停止しているとしか思えない

長寿社会である。だからこそ、だれもが定年後の安定した生活を願っている。が、沈滞した組織からは国民に安心を与えるものは何も生まれはしまい

「過ちを犯しても改めようとしないのが本当の過ち」と論語にある。老人福祉にともった赤信号を変えるには、まずは国民の生活を守るという責任感をもつことではないか。


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