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カメの「甲羅」は肋骨と背骨が発達した結果、中国研究

  • 2008年11月28日 11:24 発信地:パリ/フランス
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三畳紀、海中を泳ぐカメの祖先(想像図)。(c)AFP/Marlene Donnelly

【11月28日 AFP】中国南西部でほぼ完全な形で発見された2億2000万年前の化石は、は虫類の進化における謎の1つ「カメはいかにして甲羅を持つに至ったか」について、明確な回答を示してくれるかもしれない。  

 中国浙江自然博物館(Zhejiang Museum of Natural History)などの合同研究チームは27日、「失われた環(ミッシング・リンク)」、つまり歯を持ち身体の半分だけが甲羅におおわれた「Odontochelys semitestacea」という生物の化石を発見したとの報告を発表した。カメの祖先とされるこの生物の甲羅は、皮膚から発達したのではなく、肋骨と背骨が発達したものだという。

 今回の発見は、化石はカメの起源が陸地ではなく海中であることも示しており、カメの祖先をこれまでの仮説よりも1000万年程度さかのぼることができるという。この説に従えば、カメは恐竜時代にはほぼ現在の姿形をしていたことになる。

 カメの甲羅は、腹甲と呼ばれる柔らかい部分に直結している。この背の部分の甲羅が形成された過程については確固たる証拠が乏しいこともあり、19世紀初頭から激しい議論が交わされてきた。

 一方には、甲羅は皮膚が進化したとする説がある。小さな骨板が広がって一種の皮膚板を形成し、これがやがて肋骨と結合したというものだ。

 もう一方で、腹甲が最初に形成され、後に肋骨と背骨が伸張して甲羅を形成したとする説も有力視されている。これに類似したプロセスは、現在のカメの胚(はい)の成長過程でも見ることができるという。

 研究チームは、今回発見された化石によって、肋骨と背骨から甲羅が形成されていく過程が明らかに示されたと主張している。(c)AFP

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