医薬品卸の主戦場は医療機関、そして調剤薬局。調剤薬局の経営やその従業員の給与はどうか。
調剤薬局の基本的な売上は、医療用医薬品の薬価と調剤報酬で成り立つ。医薬品ごとに仕切りが安い卸会社を選択したり、処方箋の持込が多い医療機関の医師が選択する薬の仕入れを先読みするのが経営のポイント。
とはいえ、卸同様に薬価の売買差益は限りなくゼロに近いというのが現実。薬の販売による利益は期待できないことから、調剤技術料など調剤報酬依存の1本足経営といっていいだろう。その調剤報酬も国によって決められており、自由裁量の余地は少ない。
メディカルシステムネットワークと日本調剤が500万円台。以下、クオールやクラフトが続き、アインメディカルシステムズは400万円を切っている。卸より平均年齢は若いものの、薬剤師を含めての給与平均だけに高給とはいえないだろう。店舗運営のメインとなる薬剤師ともなれば、下限は700~800万円とされる。
医療用医薬品に限っても市場規模は8兆円と大きいが、国による医療費抑制政策が続いており先行き不透明。大衆薬については原則、新たな資格者「登録販売者」による販売も可能になり、スーパーなどの参入も本格化する。医薬品の流通部門は、さらなる再編が続くといっていいだろう。