いじめ防止を呼びかけるパネルの設置式が4日、豊前市赤熊の市立八屋中(鳥井義明校長、221人)であった。全校生徒のほか、来賓ら約10人も出席し、いじめ撲滅に向けた決意を確認した。【出来祥寿】
同市では95年4月、市立角田中2年の男子生徒(当時13歳)がいじめを苦に自殺する事件が発生。これを受け、教育関係者らが96年8月、教育問題に取り組む市教育協議会を設置した。以来、同協議会と市教委は毎年、いじめ防止大会を開いている。
八屋中でも95年以降、生徒会がスローガン「いじめの雰囲気を作らない学校へ」を掲げ、いじめ問題に取り組んでおり、今回、パネルを刷新することで改めてスローガンの意味を確認し、学校や地域全体で意識を共有しようと設置式を開いた。
パネルはアルミ複合板の横6・6メートル、縦約90センチ。美術の非常勤講師、向野正義さん(65)が担当し約1カ月かけて完成させた。「いじめ」の陰湿さを表す黒、「(いじめの雰囲気を)作らない」との強い決意を示す赤など色彩にもこだわった。
設置式で鳥井校長は「いじめ問題は豊前市の永遠のテーマ。本校の教育目標の一つである『かけがえのない人の命を大切にすること』を、全職員、全校生徒、地域のすべての人たちにより、守り育てたい」とあいさつ。生徒会長で3年の大田哲君(15)が「これを機会に、いじめをなくす雰囲気を作っていこう」と決意を語った。
〔京築版〕
毎日新聞 2008年12月5日 地方版