韓国軍捕虜:政府が北朝鮮への経済的補償を検討
一人当たりの金額は未定
北朝鮮が抑留している6・25戦争(朝鮮戦争)当時の韓国軍捕虜を連れ戻すため、韓国政府が北朝鮮に対し経済的補償を行う手法を研究していることが、5日明らかになった。
政府関係者は同日、国軍捕虜の送還問題に関連し、「まだ具体的に確定したわけではないが、インセンティブを与えて解決するという手法も考慮している」と語った。
この関係者によると、「前政権でも北側に対し、“国軍捕虜問題を解決すれば画期的な支援を考慮しよう”と提案したことがある。西ドイツが東ドイツに抑留されていた政治犯の釈放の際に行った“政治犯釈放取引”も研究している」という。
過去に西ドイツ政府は、東ドイツの体制に抵抗し投獄された政治犯を釈放させるため、1963年から東ドイツと秘密取引を開始し、最初の8人を釈放させるに当たり32万西ドイツマルク(当時は固定為替相場で1西ドイツマルク=約90円、総額2880万円相当)もの現金を提供した。その後は、食糧や原油といった物品を提供し、1989年までに総額35億西ドイツマルク(89年当時の相場〈1西ドイツマルク=約79円〉で約2765億円相当)の金品を東ドイツに送り、3万3755人の政治犯を西ドイツに移住させた。
しかしこの関係者は、国軍捕虜一人当たりの補償額や、どのような形態で北朝鮮に提供するのかについては、「まだ断定して語ることは難しい」と話した。
韓国政府は、これまでに帰還した国軍捕虜や脱北者らを通じ、北朝鮮に生存していると推定される5600人余りの国軍捕虜の名簿を確保している。
しかし、1953年の停戦当時に国連連軍司令部が推定した韓国軍捕虜の数は8万2000人余りに上る。その反面、北朝鮮が送還した捕虜は8343人に過ぎず、実際にはこれよりはるかに多くの国軍捕虜が抑留されているものと推定される。
これと共に政府は、北朝鮮を脱出し中国などに留まっている国軍捕虜の身辺保障のため、関連国に対し協調努力を強化していく方針だ。政府関係者は「関連国に国軍捕虜問題の解決に関する協力を要請し、北朝鮮に送り返さないよう、引き続き要求している。現段階では、外交的努力をさらに強化することが最善策だと考えている」と語った。
1994年に故・趙昌浩(チョ・チャンホ)中尉が帰還して以降、現在までに合わせて76人の国軍捕虜とその家族159人が帰還した。今年は6人の国軍捕虜とその家族7人が韓国に戻ってきた。
チャン・サンジン記者
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