今度は、「来いというから行くだけ」と、たんかを切って笑いを誘った。ノーベル物理学賞の益川敏英さんは、意表を突くせりふが親しみを抱かせる 化学賞の田中耕一さんは、人柄のにじむ素朴な言動が新鮮だった。益川さんの場合、ウケ狙いがのぞく。授賞式は、モーニング姿よりも「信長みたいに裸に赤ふんどしが格好いい」と続けたのは、いささか脱線。それでも、受賞の喜びと誇りが十分に伝わってくる 経営危機に陥った米ビッグスリー(自動車大手3社)首脳は、俸給は1ドルで結構、とたんかを切ったと報じられている。救済を求めてワシントン詣でを続けるが、色よい返事はもらえない 最初、自家用機で飛んで来て、議員を怒らせた面々である。膨大な私財を蓄えておいて、俸給1ドルと見えを切っても、笑いのタネにしかならない。益川さんより下手な芝居である きちんとお使いをした子には、褒美がもらえる。当地では「おてま」と言う。こんなありさまでは、ビッグスリー首脳がおてまを手にするのはいつのことか。大騒ぎの金融危機の中、のんきに構えるのが、海の向こうにもいる。
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