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世宗証券疑惑:盧前大統領、兄逮捕について語る

 農協による世宗証券買収に介入し、金品を受け取った容疑で盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の実兄である盧建平(ノ・コンピョン)氏が逮捕された。この問題について盧前大統領は5日、「弟としての道理もある」として今の時点では謝罪しない意向を明確にした。

 盧前大統領はこの日午後、慶尚南道金海市のポンハ村にある私邸を訪れた観光客や取材陣ら100人と10分ほど対話をした。その席で盧前大統領は「そろそろ国民に謝罪すべきではないかと主張する人もいる」「前職の大統領としての道理もあるが、兄弟としての道理もある」と発言した。

 盧前大統領は「兄は容疑を強く否認している。それなのに自分が謝罪すると兄の容疑を認める形となり、国民にそのようなサービスはできない」「すべての事実が確定するまでは兄の発言に反する判断はできない」と述べた。

 「盧建平容疑者からは何の連絡もないのか」という取材陣の質問に対して盧前大統領は、「それは私的な問題なのでどうこう言えない。(電話が)あったかどうかは気になるだろうが、わたしたちの問題としてそっとしておいてほしい」と説明した。

 盧建平容疑者に関する話に先立ち、盧前大統領は「今日で今年のあいさつは終わりにしたい。来年になって少し暖かくなれば、またあいさつをしたい」と述べ、現在の心境を明らかにした。

 また、4日に兄が逮捕されたことについて、盧前大統領は「精神的に混乱している。今日は自分の立場を語るのは難しい。ぜひ理解してほしい」と、簡単な電子メールを取材陣に送った。

 この日午前10時ごろ、盧前大統領の秘書室長だった文在寅(ムン・ジェイン)弁護士が私邸を訪問し、盧前大統領と昼食を共にした。その席で二人は建平氏逮捕への対応について話し合ったのでは、との観測が広まっている。しかし盧前大統領側は「別の話で訪問した。具体的な内容は明らかにできない」と説明した。盧前大統領の後見人とされるチャンシン繊維のカン・グムウォン会長も、この日私邸を訪れた。

 また4日午前中まで自宅に留まり、その後外出して連絡を絶っている建平容疑者夫人のミン・ミヨンさん(53)はこの日も姿を見せなかった。建平容疑者宅の玄関前には新聞や郵便などが放置されたままになっている。

 一方、盧前大統領が判事をやめて弁護士に転身した理由が、兄の建平容疑者による収賄事件のためだったことも最近になって明らかになった。

 建平容疑者は馬山の税務署に勤務していた1978年、ある人物から「不動産関連の税金がかからないようにしてほしい」と頼まれ、当時としては大金の40万ウォン(現在のレートで約2万5000円)の賄賂を受け取り職を追われ、検察に拘束された。当時盧前大統領は大田地方裁判所で新米判事として勤務していたが、兄が逮捕されたことで裁判所に辞表を提出した。当時判事として同僚だった法曹界のある人物は、「兄が逮捕されたことで判事としての責任を感じていたようだ」と述べた。

金海=姜仁範(カン・インボム)記者

リュ・ジョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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