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福岡・筑前町の中2いじめ自殺:人権侵犯記録開示 国も「黒塗り」支持

 ◇審査会「調査に支障」

 福岡県筑前町の中学2年、森啓祐君(当時13歳)がいじめを苦にして自殺し、遺族が福岡法務局の人権侵犯調査記録の黒塗り開示を不服として法相に申し立てていた問題で、内閣府情報公開・個人情報保護審査会が3日、「内容を公表すると調査に差し支えがある」として黒塗りを支持する1日付の答申結果を遺族に伝えていたことが分かった。

 福岡法務局が森君に対する人権侵害があったとして当時の校長らに出した「説示」措置を巡って、両親は昨年9月、個人情報保護法に基づき調査記録の開示を請求。同11月に開示された資料がほとんど黒塗りだったため、同12月、法相に審査請求書を提出していた。

 審査会に対し、法務省は文書のページ数や既に公開されている文書内容などについては開示するとの見解を表明。答申はこれに加えて、文書の日付などを追加開示すべきだとしたにとどまった。

 事実上のゼロ回答に父順二さん(42)は「私たちの気持ちが伝わらず残念。再発防止に役立てるために、少なくとも遺族には内容を開示してほしかった」と話した。【高橋咲子】

 ◇遺族の願いに応えるべきだ--情報公開に詳しい堀部政男・一橋大名誉教授の話

 本人や遺族にのみ公開する個人情報保護法の趣旨からして、可能な限り公開するのが基本だ。自殺があった場合、学校や地方自治体は遺族に十分情報を伝えていない現状がある。法務局は法律に基づいてどこまで公開するか決めるだけでなく、任意に対応することで自殺の真相を知りたいという親の願いに応えるべきだ。

毎日新聞 2008年12月4日 西部朝刊

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