共産党の志位和夫委員長は5日、国会内で麻生太郎首相と会談し、雇用不安への対応や中小企業の貸し渋り対策を訴える「雇用と中小企業を守る緊急対策」の実施を提言した。自民・共産の2党だけの党首会談は異例。
会談で志位氏は、非正規労働者の相次ぐ解雇について、政府の強力な指導監督を要請。首相は「経団連首脳に雇用維持を申し上げた」と応じたが、志位氏は「その直後に、御手洗冨士夫経団連会長の足元のキヤノンの子会社で1100人の解雇計画が出てきた」と指摘した。
首相は「企業は非正規を切らないで、正社員に置き換える道を探るべきだ」などと一般論に終始し、10分弱の会談は平行線で終わった。会談に同席した河村建夫官房長官は「党派を超えてという思いもあり、申し入れを受けた」と述べた。
一方、社民党も福島瑞穂党首が同日、緊急雇用対策提言を発表。日森文尋国対委員長が自民党の大島理森国対委員長に対し、党首会談開催を要請した。【田中成之】
毎日新聞 2008年12月5日 22時21分(最終更新 12月5日 23時52分)