浜田防衛相は5日、防衛医科大の10年4月からの独立行政法人化を延期することを表明した。独法化は小泉政権での構造改革路線を受けて決まっていたが、自民党の国防関係議員から異論が噴出。来年度予算の概算要求に盛り込んでいた組織改編案を撤回する異例の判断となった。
浜田氏は記者会見で「本来国でやるべき自衛官としての教育確保についてさらに検討が必要」と、国の関与の必要性を指摘。来年夏をめどに防衛医科大のあり方を再検討する意向を示した。
防衛医科大は医師の資格を持つ幹部自衛官の養成機関で、06年に独法化を決定。防衛省は、教授やスタッフなど約1100人を非公務員にする関連法案を来年の通常国会に提出する予定だった。
だが、自民党内から「非公務員化すれば、外国人など自衛隊の考え方に合わない人たちが教壇に立ち、隊員教育に悪影響を及ぼす」(防衛庁長官経験者)といった反対論が相次いでいた。(山田明宏)