【ナイロビ=古谷祐伸】経済崩壊と食糧危機の状態にあるアフリカ南部ジンバブエで、コレラの流行が深刻化している。国連は3日、8月以降の死者が565人に上り、感染者数は1万2500人強と発表。4日付の政府系紙「ヘラルド」は、政府が緊急事態を3日に宣言し、国際社会の支援を求めたと伝えた。
世界保健機関(WHO)によると、事態が深刻なのは首都ハラレ。177人が死亡し、約6500人の感染が確認されている。また干ばつ被害や年率2億3100万%を記録した物価上昇による食糧難で、500万人が食糧援助を必要としている上、医薬品代や医療従事者の給料を支払えず、公立病院の大半が機能停止していることが、流行に拍車をかける。
AFP通信によると、政府は11月29日から首都ハラレで水道水の供給を一時止めたほか、国民に対して握手しないよう呼びかけるなど、苦肉の策がとられているという。