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世宗証券疑惑:盧前大統領の兄「金は受け取っていない」

 世宗証券(現NH証券)売却をめぐる不正疑惑で、検察から出頭通知を受けた盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の兄、盧建平(ノ・ゴンピョン)氏が出頭直前まで、弁護士と検察の調査に備えていたことが分かった。

 盧建平氏はこの過程で、「鄭大根(チョン・デグン)農協会長を紹介する謝礼として、金銭提供の提案があったが拒否した」と無念を訴えた。

◆盧建平氏「金銭提供の提案拒否した」

 盧建平氏のある知人によると、盧建平氏は先月28日に姪の夫のチョン・ジェソン弁護士と対面した席で、「世宗証券の一件が終わると、鄭化三(チョン・ ファサム)氏と世宗キャピタルの洪起玉(ホン・ギオク)社長がわたしを利用するだけ利用して、1億-2億ウォン(約640万-128万円)程用意していると話したので、『金は要らない』と言った。そういったことは君たちにお任せする」と語ったという。

 また盧建平氏はチョン弁護士に「今回の件(世宗証券売却をめぐる不正疑惑事件)に関しては、金を受け取っていないため、(検察への出頭に関して)何も準備する必要はない。検察に行って、ありのままを話せばよい」と話したとのこと。盧建平氏は、チョン弁護士と金海市進永邑の知人とともにソウルに出向くとみられる。

 大検察庁のチェ・ジェギョン捜査企画官は30日の会見で「出頭日時など盧建平氏に関する事項は一切言えない。マスコミが何月何日に出頭すると報じても、検察とは無関係」とコメントした。

◆ポンハ村の住民「盧大統領もこれまでの大統領と同類」

 盧前大統領は先月28日に続き30日にも、ポンハ村の私邸に訪れた観光客の前で約1時間30分間演説を行ったが、盧建平氏の検察捜査に関してはコメントを控えた。

 盧前大統領は演説の冒頭で「最近は気持ちが湧き上がらず、気分がすぐれない」と複雑な心境を吐露した。盧前大統領は、教育問題や最近の南北関係などについて持論を展開した。そして演説の終了間際にあった記者の「兄に対する検察の捜査を信頼しているのか」との問いには「検察の捜査を見守ろう」と話した。その後記者らの質問が相次いだが、答えずに私邸へと向かった。

 盧前大統領はこの日の晩、祖母の法事を行うため400メートル先にある盧建平氏の自宅を訪ねたが、盧建平氏は現れなかった。

 ポンハ村の住民らは、盧建平氏が検察から出頭通知を受けたというニュースが流れると、「結局来るべき時が来た」という反応を示した。

 進永邑のある自営業者は「今年初め、金海地域で事業を営む人のうち、盧建平氏と関係がある数人が検察で事情聴取を受け苦労していた。盧建平氏は何も受け取っていないと言っているが、何も受け取っていない前大統領の兄が検察に呼ばれるわけがない」と語った。また地元住民のキム氏(56)は「これまで、大統領が退任すると親戚関係の汚職がよく問題となってきたが、盧大統領も同類のようだ。就任当初から取りざたされていた兄が結局、検察の捜査を受けることになった」と話した。

金海=李錫雨(イ・ソクウ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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