2008年12月05日(金)
精神疾患5割増 県職員傷病休暇 30−40代のうつ病目立つ
2007年度に精神疾患で長期の傷病休暇を取った山梨県職員は前年度比5割増の48人で、最近10年間で最も多かったことが4日までの県のまとめで分かった。大半はうつ病と診断され、30−40代の「働き盛り」が仕事上の悩みを訴えるケースが目立つ。1年間の療養期間後も症状が改善せず、休職扱いとなった職員も増えていて、精神疾患が長期化している傾向もうかがえる。
県総務部によると、07年度に病気のため長期休暇が認められ、養護措置(90日間は給与の全額、その後9カ月間は給与の半分を支給)が取られた職員は122人。06年度より32・6%増えた。
疾病別では精神疾患が39・3%で最も多く、妊娠・出産中の合併症(19人)や、がん(18人)を大きく上回った。精神疾患は1998年度以降、20人台で推移してきたが、最近になって増加。10年間で2・4倍に上った。1年間の休暇中に改善しなかった場合、休職扱い(1年目は給与の8割、2、3年目は無給)となるが、07年度に精神疾患で休職となったのは9人。前年度より3人増えた。
県職員厚生課によると、8割近くがうつ病やうつ病状態と診断され、中間管理職に当たる30、40代が多い。同課は「全員に確認していないので原因ははっきり分からない」としているが、職場の人間関係や仕事内容に関する悩みを訴える職員が目立つ。
県は精神疾患の急増を受け、「心の健康づくり指針」を策定。早期発見に向け、職員が精神状態を自己診断するチェックシートを職員専用サイトに掲載したほか、部下の変化に気づき、対処するための管理職研修なども開いている。
一方で、過重労働が遠因になっているとの指摘もあることから、時間外労働が月100時間以上、2カ月平均で80時間以上の職員を対象に、医師による面談を実施。これまでに「詳しい診断が必要」と判断された職員はいないが、07年度の受診者は43人で06年度より6割増えた。
県総務部は「精神疾患は重症化すると回復が難しい。自己診断など早期発見のための対策が重要」と説明。一方、県職員労働組合は「職員数が削減されながらも業務量は変わらず、人と仕事量のアンバランスも理由として考えられる。事務事業の見直しが必要だ」と訴えている。
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