交際相手の男性宅で出産直後の女児を殺害したとして、殺人罪に問われた甲府市若松町、無職、乙川真樹被告(34)の判決公判が4日、甲府地裁であった。渡辺康裁判長は「男性と交際を続けるという自らの幸せと引き換えに殺害に至った経緯や動機に酌量の余地はない」として懲役3年6月(求刑・同5年)の実刑を言い渡した。
判決によると、乙川被告は8月16日未明、交際中の男性宅で女児を出産。別の男性の子だったため、タオルなどで鼻や口をふさぎ、首をひもで絞めるなどして窒息死させた。
渡辺裁判長は「明確な殺意に基づく残虐な殺人行為で、実刑に処すべきだと判断した」と判決理由を述べ、「被害女児を弔う気持ちを大事にして、自分がしたことの重大さを一生懸命考えてほしい」と説諭した。【曹美河】
毎日新聞 2008年12月5日 地方版