●教科書検定、議事公開へ=検定調査審議会
小中高校の教科書を審査する教科用図書検定調査審議会は4日開いたワーキンググループの会合で、密室で議論されていると批判された教科書検定手続きの透明化を図るため、議事概要などを検定終了後に公開する改善案をまとめた。従来は「自由な意見交換が制約される」との理由で非公開だった。 年内に検定審で正式決定し、2009年度の検定から適用する見通し。ただ、会議自体は公開せず、議事も概要しか公にならないことから、さらなる公開を求める意見が出そうだ。 事後公開するとしたのは▽教科別の部会や小委員会の決定事項、審議内容を記載した議事概要▽部会、小委ごとの所属委員名▽出版社に通知する検定意見書の原案として教科書調査官が作成する調査意見書−など。 検定過程で専門性の高い記述や学説が分かれる部分について判断する場合には、部会、小委が追加で専門委員を任命したり、外部から意見を求めたりできるようにし、審査自体の運用改善も図る。 教科書調査官は文部科学省に所属しており、その原案に検定審の議論が縛られているとの批判があった。このため、名前や職歴の公表も行い、制度の信頼性を高めるとした。 教科書検定をめぐっては、沖縄戦の集団自決に関する問題で審査方法が不透明などと批判が高まっていた。(了)
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