【データ】
●李朝時代(中期以降)の人口推移
year population
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1669 5,018,744
1678 5,872,217
1690 6,952,907
1702 5,922,510
1711 6,394,028
1721 6,799,097
1732 7,273,446
1741 7,192,848
1753 7,298,735
1762 6,981,598
1774 7,098,441
1786 7,330,965
1807 7,561,403
1837 6,708,529
1852 6,810,206
1864 6,828,521
1904 5,928,802
(善生永助「朝鮮の人口現象」より)
●朝鮮総督府時代の人口推移
year population male female
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1910 13,128,780 6,953,468 6,175,312
1911 13,832,376 7,271,526 6,560,850
1912 14,566,783 7,585,674 6,981,109
1913 15,169,923 7,870,875 7,299,048
1914 15,620,520 8,086,354 7,534,166
1915 15,957,630 8,192,614 7,765,016
1916 16,309,179 8,387,343 7,921,836
1917 16,617,431 8,552,392 8,065,039
1918 16,697,017 8,589,661 8,107,356
1919 16,783,510 8,632,605 8,150,905
1920 16,916,078 8,701,988 8,214,090
1921 17,059,358 8,778,862 8,280,496
1922 17,508,139 8,855,524 8,652,615
1923 17,446,913 8,970,812 8,476,101
1924 17,619,540 9,045,641 8,573,899
1925 18,543,326 9,466,994 9,076,332
1926 18,615,033 9,509,323 9,105,710
1927 18,631,494 9,512,491 9,119,003
1928 18,667,334 9,521,317 9,146,017
1929 18,784,437 9,569,706 9,214,731
1930 19,685,587 10,003,042 9,682,545
1931 19,710,168 10,023,837 9,686,331
1932 20,037,273 10,183,362 9,853,911
1933 20,205,591 10,269,286 9,936,305
1934 20,513,804 10,416,040 10,097,764
1935 21,248,864 10,769,916 10,478,948
1936 21,373,572 10,842,097 10,531,475
1937 21,682,855 10,997,432 10,685,423
1938 21,950,616 11,128,074 10,822,542
1939 22,098,310 11,170,910 10,927,400
1940 22,954,563 11,572,035 11,382,528
1941 23,913,063 12,033,728 11,879,335
1942 25,525,409 12,805,543 12,719,866
(朝鮮総督府「朝鮮総督府統計年報」より)
なお、「第一次統監府統計年報 明治三十九年」には、次の記述がある。
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本表ハ、明治三十九年十月、韓国政府警務顧問警視 丸山重俊ノ管理ニ於テ調査シタル戸口ニシテ、従来同国ノ疎漏不完全ナル戸数台帳ニ拠レルモノニ比シ、信用スヘキ計数ナリ。今同年(光武十年)韓国内部ニ於テ調査シタル戸口ニ対照スルニ戸数ニ於テ、九十三万七千九百六十四、人口ニ於テ三百八十四万五千二ノ増加ヲ観ル。
※thee_1028、句読点追記
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記述内容を簡単にまとめると、明治39年(1906年)、韓国政府の警務顧問の警視である 丸山重俊(Maruyama_Shigetoshi)が、
韓国内の戸籍と人口統計を見直し、再調査したところ、同年の韓国内部の調査と比較して 3,845,002人増加したということである。これまで、漏れが多く不完全だった戸数台帳(戸籍)による統計に比べ、信用に足る数値であろうと結論づけている。
【見解】
戸籍が不完全だった理由として、李朝政府の管理が杜撰だったこともあるだろうが、ある一定の身分以下の人々(白丁など)に対しては、戸籍を作っておらず、人口として加算されていなかったこと、軍役を避けるため、未成年者の登録が回避された慣習があったことなどが原因と考えられる。
なお、丸山重俊(Maruyama_Shigetoshi)という人物は、日本の警視庁の部長を務めていた日本政府のエリート官僚で、1905年初頭より韓国政府の警務顧問に就任した人物である。韓国政府の政治改革の一環として、人口統計調査に取り組んだものと思われる。
1910年以前の人口について、李朝政府の調査データによると、1969年から1904年まで、5,000,000人から7,000,000人あたりを推移しているが、最大であったのは1807年の7,561,403人で、1904年には5,928,802人にまで減少している。上記の統計の誤差も考慮すると、
1905年前後における人口は、およそ11,000,000人程度であったと推測する。
朝鮮総督府の統計の信憑性を問う意見があるだろうが、個人的には、日本統治時代の当初としては、これ以上の信用性の高いデータは存在しないと考える。なぜなら、統計という客観的なデータに、無視できない誤差や改ざんなどが存在した場合、科学的・近代的な統治を行うことが著しく困難となり、統治政策に重大な悪影響を及ぼすと考えられるためである。
統治目的がどのようなものであったとしても、統計が 効率的かつ適切な統治を行うにあたり重要な資料となるため、できる限り正確な数値となるように 尽力したと考える。
人口に関して、朝鮮総督府の統計ではなく、国勢調査によるデータから推計された数値を採用すべきという意見もあるが、国勢調査自体、1925年に開始されたものであるため、それ以前の推計を行うことができないため、日本統治時代全体の人口統計を検証するデータとしては不完全と考える。
なお、
当スレッドは、あくまでも日本統治時代における人口統計と推移についての検証であって、日本統治の善悪や是非を問うものではない点にご留意いただきたい。データに関しては、以下スレッドも参考にしていただきたい。
【朝鮮半島人口の推移と関連事象の仮マッピング】
日本版:
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&page=2&nid=1917522韓国版:
http://bbs.enjoyjapan.naver.com/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1917522【朝鮮半島人口の推移のグラフ】
日本版:
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1917537韓国版:
http://bbs.enjoyjapan.naver.com/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1917537【李朝時代の人口推移】
日本版:
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1925339韓国版:
http://bbs.enjoyjapan.naver.com/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1925339(参考文献:
酒井敏雄「日本統治下の朝鮮 北鎮の歴史」)
伝統版、初投稿です。お手やわらかに^^