民主党の小沢代表が麻生首相の退陣を前提に、全党参加の選挙管理内閣の実現に言及したことが2日、与野党に波紋を広げた。
自民党からは、批判や反発が相次いだ。小沢氏が昨年11月、当時の福田首相に対し、「大連立構想」を持ち掛け、党内の反対で頓挫した経緯があるからだ。
麻生首相は2日昼、首相官邸で記者団に「選挙管理? 意図が分からないから答えようがない」と述べた。
細田幹事長は記者会見で「昨年、それ(大連立)を実行していれば、いろんな事があったかもしれないが、『またか』という感じだ」と指摘。笹川総務会長も「選挙の前に連立と言うことは、国民の権利を侵害することになる」と批判した。
民主党からは、戸惑いの声が上がった。
平田健二参院幹事長は記者会見で「真意は分からない」と述べた。中堅衆院議員は「大連立という言葉を使うと、党内では『まだ色気があるんだ』と思われる。昨年の騒動の反省がない」と小沢氏を批判した。
今回の発言について、小沢氏に近い党幹部は「本来なら野党に政権を渡すのが筋だが、与党はそうしないだろう。とはいえ、首相だけ代えた政権は国民の支持を得られない。それなら、与野党が参加した選挙管理内閣を作り、衆院解散・総選挙を行えばいい、という意味だ」と解説する。
ただ、小沢氏は選挙管理内閣の具体像を語っておらず、党内からは「自民党内の反麻生勢力を巻き込んだ野党主導の選挙管理内閣を作ることを持ち掛け、自民党を揺さぶるつもりなのではないか」との見方も出ている。
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