大牟田市は4日、市民懇談会での質問や10月に募集した市民の意見を踏まえ、市立総合病院を2010年度に非公務員型「地方独立行政法人」による運営に移行する計画案を堅持する方針を示した。同病院総務課長が市議会経済環境委員会で報告した。市職労や市議会の複数会派が性急な独法化には反対しており、8日に始まる12月定例会での論議が注目される。
10、11月に開かれた市民懇談会で、病院の経営形態について意見を述べた4人のうち「明確に独法化に反対する人はいなかった」(同病院総務課)という。また計画案についての意見募集で、21人が延べ27件の意見を寄せ、賛否は真っ二つに割れた。
賛成意見の一つは、市職員の定数や給与体系に縛られる現状の方式より、独法化で経営の自由度を上げるべきだという主張。反対意見として、公務員の身分を保ちながら自立的経営が可能な「地方公営企業法の全部適用」という手法を採用すべきだとする声や、「独法化された国立病院機構を見ても、公共性の維持に疑問がある」などの主張があった。
また「第三者委員会で指定管理者導入が提言されていたのに、公募もなしに独法化を選択したのはおかしい」という声もあった。
市は独法化に向けて病院の資産を査定する経費を盛り込んだ補正予算案などを12月議会に提案する予定。並行して市職労への説明会も継続するという。
=2008/12/05付 西日本新聞朝刊=