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県立病院分娩料値上げ 都道府県立では最高額に

12月5日(金)

 村井知事は4日の県会一般質問で、県立病院の分娩料を大幅に引き上げる条例改正案に関し、引き上げ後の料金が都道府県立病院で最高額となることを明らかにした。知事は「分娩ができない状態を回避することを最重点に対応した」と説明。医師らの処遇改善などに充てる財源が必要−との考えを強調した。

 石坂千穂氏(共産党)への答弁。引き上げ案は来年3月から、子ども1人を出産した場合6万5000円(56・5%)増の18万円に、双子以上は9万8000円(57・0%)増の27万円とする内容で、県は関係条例の改正案を今県会に提出している。

 県病院事業局の11月時点の調査によると、都道府県立病院の分娩料は子ども1人を出産した場合7−15万円程度で、引き上げ後の金額はこれを上回る。県内の公立・公的病院との比較でも、長野赤十字(長野市)、信大(松本市)と並んで最も高くなるという。

 石坂氏は、県が増収分を充てるとする医師らの「分娩手当」は県費負担とすべきだと主張したが、知事は「(利用者に)応分の負担をお願いしたい」と理解を求めた。一般質問では、今井正子氏(トライアル信州)も「少子化対策に逆行する」として撤回を求めた。

 一方、勝山努病院事業局長は、未収金縮減や患者の利便性向上を狙いに、こども病院(安曇野市)の窓口で来年度中に、クレジットカードによる支払いができるシステムを導入する考えを示した。西沢正隆氏(自民党)の質問に答えた。

 クレジットカード払いの導入は、未収金を減らす効果があるとされる一方、県には手数料支払いの負担が生じる。勝山局長は、周辺に現金を引き出せる金融機関がない同病院でまず導入し、他病院については費用対効果を踏まえ判断するとした。