福岡中2自殺 町調査委が中間報告 からかい揶揄死招く 精神的苦痛も認める
筑前町教委の柿原紀也委員長(右)に中間報告書を手渡す高田清調査委員長=12日午後、福岡県筑前町
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)が「いじめられた」という遺書を残して自殺した問題で、町教委が設置した調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)は12日、中間報告を公表した。同委員会は、いじめについてからかいや揶揄(やゆ)など「いじめに類する行為が自殺に追い込んだ可能性がある」と判断した。ただ、自殺した男子生徒の心中を推測する手掛かりに乏しいことから、行為すべてを「いじめ」とは断言せず、さらに分析を進めるとした。
報告によると、男子生徒は「うざい」「死ね」「うそつき」などの揶揄を、複数の生徒から中学入学当初から受けたと判断。周囲は「冗談としてしか捉(とら)えていなかった」が、男子生徒は、そうした行為に「精神的苦痛を受けていたと十分に推測される」と分析。「死ぬ」と漏らし、実際に自殺した当日、トイレでズボンを脱がされそうになる事件が起き「屈辱的な行為を受けた」うえ、「うそつきと言われたくないため追い詰められた可能性がある」と指摘した。
いじめを誘発したとされる1年時の元担任教諭の言動については「いじめに類する行為につながる一因になった可能性は否定できない」としながら「自殺の直接的要因とは言い難い」とした。
自殺した生徒の受け止め方や精神状態を知る手掛かりが、遺書や一部証言以外に見当たらないことから「いじめと断定するのが困難」と判断。「いじめに類する行為」という表現に落ち着いたという。
調査委は11月7日に大学教授ら7人で発足。同級生へのアンケートをはじめ、遺族や教師への聞き取りを実施した。自殺した生徒には、同級生らが繰り返し「死ね」「うざい」などの言葉のいじめを続けていたほか、1年時の元担任教諭がいじめを誘発するような言動を続けていたとされる。
=2006/12/13付 西日本新聞朝刊=
筑前町教委の柿原紀也委員長(右)に中間報告書を手渡す高田清調査委員長=12日午後、福岡県筑前町
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)が「いじめられた」という遺書を残して自殺した問題で、町教委が設置した調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)は12日、中間報告を公表した。同委員会は、いじめについてからかいや揶揄(やゆ)など「いじめに類する行為が自殺に追い込んだ可能性がある」と判断した。ただ、自殺した男子生徒の心中を推測する手掛かりに乏しいことから、行為すべてを「いじめ」とは断言せず、さらに分析を進めるとした。
報告によると、男子生徒は「うざい」「死ね」「うそつき」などの揶揄を、複数の生徒から中学入学当初から受けたと判断。周囲は「冗談としてしか捉(とら)えていなかった」が、男子生徒は、そうした行為に「精神的苦痛を受けていたと十分に推測される」と分析。「死ぬ」と漏らし、実際に自殺した当日、トイレでズボンを脱がされそうになる事件が起き「屈辱的な行為を受けた」うえ、「うそつきと言われたくないため追い詰められた可能性がある」と指摘した。
いじめを誘発したとされる1年時の元担任教諭の言動については「いじめに類する行為につながる一因になった可能性は否定できない」としながら「自殺の直接的要因とは言い難い」とした。
自殺した生徒の受け止め方や精神状態を知る手掛かりが、遺書や一部証言以外に見当たらないことから「いじめと断定するのが困難」と判断。「いじめに類する行為」という表現に落ち着いたという。
調査委は11月7日に大学教授ら7人で発足。同級生へのアンケートをはじめ、遺族や教師への聞き取りを実施した。自殺した生徒には、同級生らが繰り返し「死ね」「うざい」などの言葉のいじめを続けていたほか、1年時の元担任教諭がいじめを誘発するような言動を続けていたとされる。
=2006/12/13付 西日本新聞朝刊=
教育長が議会で謝罪の言葉 福岡中2男子いじめ自殺問題
福岡県筑前町で中2男子生徒がいじめを苦に自殺した問題について、中原敏隆町教育長が12日の定例町議会で謝罪の言葉を述べた。
一般質問でいじめ問題への姿勢や対応を問われた中原教育長は「今回の痛ましい事件について心苦しく残念に思う。町民はもとより全国の皆さまにご心痛をかけ深くおわびを申し上げます」と答弁。
「不登校への対応を優先し、いじめへの対応が不足していたことを反省している。今後、教育委員会に相談態勢を確立し、町の教育再生の道を考えたい」と述べた。
これに関連して手柴豊次町長は「(12日夕に)いじめ調査委員会から中間報告が出された後、近く町の教育再生会議(仮称)を立ち上げたい」と話した。
中原教育長の進退を問う質問はなかった。
いじめが要因となった小中学生の自殺問題では、北海道滝川市で教育長が辞任。岐阜県瑞浪市では教育長が市長に退職願を提出し、年内にも受理される見込み。
(サンスポウェブサイト 2006年12月12日)
福岡県筑前町で中2男子生徒がいじめを苦に自殺した問題について、中原敏隆町教育長が12日の定例町議会で謝罪の言葉を述べた。
一般質問でいじめ問題への姿勢や対応を問われた中原教育長は「今回の痛ましい事件について心苦しく残念に思う。町民はもとより全国の皆さまにご心痛をかけ深くおわびを申し上げます」と答弁。
「不登校への対応を優先し、いじめへの対応が不足していたことを反省している。今後、教育委員会に相談態勢を確立し、町の教育再生の道を考えたい」と述べた。
これに関連して手柴豊次町長は「(12日夕に)いじめ調査委員会から中間報告が出された後、近く町の教育再生会議(仮称)を立ち上げたい」と話した。
中原教育長の進退を問う質問はなかった。
いじめが要因となった小中学生の自殺問題では、北海道滝川市で教育長が辞任。岐阜県瑞浪市では教育長が市長に退職願を提出し、年内にも受理される見込み。
(サンスポウェブサイト 2006年12月12日)
「いじめ否定できぬ」 筑前・中2自殺 調査委報告案 原因断定避ける
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)が「いじめられた」という遺書を残して自殺した問題で、町教委が設置した調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)が、「いじめと自殺の因果関係は否定できない」との中間報告をまとめる方向で議論を詰めていることが11日、分かった。
ただ、男子生徒の心中を推測する手掛かりに乏しいことから、因果関係を断定する表現は避ける見通しで、12日の最終会議で結論をまとめる。
複数の関係者によると、遺書に「いじめられていきていけない」と書かれていることや、いじめの言動について周囲の生徒の証言があることなどから、委員会として「いじめはあったと認めざるを得ない」と判断。さらに自殺との因果関係についても「からかいや冗談が生徒を追い詰め、死に至らしめた可能性はある」とし、「因果関係がないとは言えない」との認識に落ち着きつつあるという。ただ、自殺した生徒の受け止め方や精神状態を知る手掛かりが、遺書や一部証言以外に見当たらないことや、集まった情報について委員の解釈に多少の違いがあることなどから、どのような表現で最終見解を示すかは12日に決める。
調査委は11月に発足して以降、同級生へのアンケートをはじめ、遺族や教師への聞き取りを実施。いじめの実態や、自殺との因果関係について学校と遺族との間に認識の違いがあるなどから慎重に調べてきた。自殺した生徒に対しては、同級生らが繰り返し言葉のいじめを続けていたほか、1年時の元担任教諭がいじめを誘発するような言動を続けていたとされる。
=2006/12/12付 西日本新聞朝刊=
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)が「いじめられた」という遺書を残して自殺した問題で、町教委が設置した調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)が、「いじめと自殺の因果関係は否定できない」との中間報告をまとめる方向で議論を詰めていることが11日、分かった。
ただ、男子生徒の心中を推測する手掛かりに乏しいことから、因果関係を断定する表現は避ける見通しで、12日の最終会議で結論をまとめる。
複数の関係者によると、遺書に「いじめられていきていけない」と書かれていることや、いじめの言動について周囲の生徒の証言があることなどから、委員会として「いじめはあったと認めざるを得ない」と判断。さらに自殺との因果関係についても「からかいや冗談が生徒を追い詰め、死に至らしめた可能性はある」とし、「因果関係がないとは言えない」との認識に落ち着きつつあるという。ただ、自殺した生徒の受け止め方や精神状態を知る手掛かりが、遺書や一部証言以外に見当たらないことや、集まった情報について委員の解釈に多少の違いがあることなどから、どのような表現で最終見解を示すかは12日に決める。
調査委は11月に発足して以降、同級生へのアンケートをはじめ、遺族や教師への聞き取りを実施。いじめの実態や、自殺との因果関係について学校と遺族との間に認識の違いがあるなどから慎重に調べてきた。自殺した生徒に対しては、同級生らが繰り返し言葉のいじめを続けていたほか、1年時の元担任教諭がいじめを誘発するような言動を続けていたとされる。
=2006/12/12付 西日本新聞朝刊=
からかいが「死」招いた 福岡中2自殺中間報告
福岡県筑前町で10月、町立三輪中学校の中2男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、町教育委員会が設置した調査委員会(委員長・高田清福岡教育大教授)は12日、「生徒たちのからかいや冷やかしの言葉が、結果として男子生徒を死に追い込んだ可能性がある」とする中間報告を柿原紀也町教育委員長に提出した。
中間報告によると、男子生徒は同級生に侮辱的なあだ名でからかわれたり、冷やかされたりする「いじめに類する行為」を断続的に受け、生徒間では「うざい」「きもい」などの言葉が日常的に飛び交っていた。
男子生徒はからかいや冷やかしに対し「死ぬ」と何度も発言。自殺当日、校内のトイレでその真意を複数の生徒から問い詰められ「うそつきと思われたくない」との思いから追い詰められた可能性があると分析した。
(12月12日 共同通信)
福岡県筑前町で10月、町立三輪中学校の中2男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、町教育委員会が設置した調査委員会(委員長・高田清福岡教育大教授)は12日、「生徒たちのからかいや冷やかしの言葉が、結果として男子生徒を死に追い込んだ可能性がある」とする中間報告を柿原紀也町教育委員長に提出した。
中間報告によると、男子生徒は同級生に侮辱的なあだ名でからかわれたり、冷やかされたりする「いじめに類する行為」を断続的に受け、生徒間では「うざい」「きもい」などの言葉が日常的に飛び交っていた。
男子生徒はからかいや冷やかしに対し「死ぬ」と何度も発言。自殺当日、校内のトイレでその真意を複数の生徒から問い詰められ「うそつきと思われたくない」との思いから追い詰められた可能性があると分析した。
(12月12日 共同通信)
福岡の中2死亡、「いじめ自殺の可能性」調査委報告へ
福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)が今年10月に自殺した問題で、同町の調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)は、同級生からのいじめが自殺につながった可能性を認める方針を固め、12日にまとめる中間報告に盛り込む。
学校側はいじめと自殺の関係について、「ほかの要因の有無を含め、丁寧に調べたい」などとして慎重な姿勢を続けており、いじめを把握出来なかった学校側の責任が改めて問われることになりそうだ。
調査委はこれまで、同校の教職員や遺族への聞き取り調査を行ったほか、生徒らにアンケートを実施。その結果、男子生徒を不名誉なあだ名で呼ぶなどのからかい行為が繰り返されたり、教師の不適切発言があったことなどが判明した。教師らの言動を巡っては、12日の会合で再度、委員の意見を聞くことにしている。
調査委は、再発防止策の提言を盛り込んだ最終報告書を年内にも提出する方針。
男子生徒は10月11日、「いじめられて、もういきていけない」などと記した遺書を残して自宅の倉庫で首つり自殺した。校長は同月15日、遺族に対し、元担任の不適切な言動が自殺につながったことを認めたが、翌日に発言を撤回した。
(2006年12月11日 読売新聞)
福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)が今年10月に自殺した問題で、同町の調査委員会(委員長=高田清・福岡教育大教授)は、同級生からのいじめが自殺につながった可能性を認める方針を固め、12日にまとめる中間報告に盛り込む。
学校側はいじめと自殺の関係について、「ほかの要因の有無を含め、丁寧に調べたい」などとして慎重な姿勢を続けており、いじめを把握出来なかった学校側の責任が改めて問われることになりそうだ。
調査委はこれまで、同校の教職員や遺族への聞き取り調査を行ったほか、生徒らにアンケートを実施。その結果、男子生徒を不名誉なあだ名で呼ぶなどのからかい行為が繰り返されたり、教師の不適切発言があったことなどが判明した。教師らの言動を巡っては、12日の会合で再度、委員の意見を聞くことにしている。
調査委は、再発防止策の提言を盛り込んだ最終報告書を年内にも提出する方針。
男子生徒は10月11日、「いじめられて、もういきていけない」などと記した遺書を残して自宅の倉庫で首つり自殺した。校長は同月15日、遺族に対し、元担任の不適切な言動が自殺につながったことを認めたが、翌日に発言を撤回した。
(2006年12月11日 読売新聞)