ご存じの通り、昨日、国籍法改正案が衆院を通過し、参院に送付されました。これについては今朝の産経に「国籍法衆院通過 法務委実質3時間 審議不十分の声」という記事を書きましたが、その中で衆院法務委で付帯決議が行われたことに触れたので、少し補足しておきたいと思います。付帯決議は、法的拘束力はない「努力目標」ですが、森法相も事務方もこれを尊重すると述べていますし、それなりの重要性は持っています。
きょうは午前10時から、衆院第一議員会館で「国籍法改正案を検証する会合に賛同する議員の会」の第二回会合が開かれ、その中でもこの付帯決議が話題になりました。付帯決議は、自民、民主、公明、社民4党が共同で提出した形をとっていますが、原案は民主党がつくりました。で、この文面をめぐり、民主と自民で間で攻防があったようです。まずは、付帯決議をここに掲載しますが、一定の評価できる点と危ない点が混在しています。
《政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一、
二、
三、
四、
…さて、「一」はどういう意味なのか。読みようによっては、外国の人にどんどん国籍申請しなさいと呼びかけろと言っているようにもとれるのですが、ちょっと理解できません。「二」の科学的な確認方法とは、つまりDNA鑑定のことですね。要否と当否について検討するという回りくどい言い方ですが、法施行後の状況次第でDNA鑑定を導入することに含みを残したといえます。「三」はまあ当然のことですが、くどいぐらいに強調して縛りをかけておいた方がいいのでしょうね。そして、問題は「四」です。これは二重国籍容認に向けて前向きに取り組め、という話であり、看過できません。
この発言に呼応して、赤池誠章氏は「四について、民主党案では『重国籍を容認する』となっていたのを(自民党が手を入れて)『重国籍に関する諸外国の動向を注視する』にした」という法務委理事会での修正について明かしました。また、議論の過程で、民主党案には「二」の「父子関係の科学的確認方法を導入」が入っていなかったのを、稲田朋美氏が提案して入れることになったということも判明しました。
まあ、自民党もだめだなあということは十分承知した上で、やっぱり民主党はもっと危ないなあと、こうした事例をみるたびに思う次第です。自民と民主の違いは、見えにくくてもやはりありますね。こういう技術的で、かつ本質的な「裏話」(というほど大げさなものでもありませんが)は、あまり新聞やテレビで報じられることはないと思うので、とりあえず報告します。この日の会合は、このほかにも興味深い議員の指摘、法務省側の答弁があったので、別途エントリを立ててそれも紹介する予定です。それでは取り急ぎまずはこれまで。
by koku
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