【ブリュッセル=井田香奈子】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が4日、ブリュッセルを訪れ、欧州連合(EU)の欧州議会で講演、ペテリング議長とともに記者会見した。チベット問題に触れ「私たちの望みが独立でないことを明確にしたい。全体主義の中国が、健全で調和した社会になるよう求めているのだ」と述べ、中国当局との対話に期待を示した。
ペテリング議長は「我々は中国の領土の一体性を尊重している」としたうえで「チベットの人たちが文化的、宗教的アイデンティティーを保てるようにすべきだ」と呼びかけた。
ダライ・ラマは6日にはEU議長国フランスのサルコジ大統領と会談する予定。これらの日程を知った中国政府の求めで、1日に予定されていたEU・中国首脳会談は延期され、新たな日程は入っていない。