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農地制度改革:貸借、参入規制の緩和推進 石破農相が提示

経済財政諮問会議出席のため首相官邸に入る石破茂農相=2008年12月3日午後5時18分、藤井太郎撮影
経済財政諮問会議出席のため首相官邸に入る石破茂農相=2008年12月3日午後5時18分、藤井太郎撮影

 石破茂農相は3日、政府の経済財政諮問会議(議長・麻生太郎首相)に農地制度の「抜本改革プラン」を提示した。農地貸借を原則自由化し、企業を含む意欲的な農業者に農地を集めて経営の効率化を図ることが柱。一方、農業以外の目的への転用に対しては規制を厳しくし、違法転用への罰則も強化する。農林水産省はプランに沿った農地法改正案を来年の通常国会に提出する方針。

 現行の農地法は、耕作者自身による農地所有を原則としている。だが、農業の規模拡大を促すには、「所有」より「利用」を重視する法体系に改める必要があると指摘。貸借の規制緩和に加え、農業生産法人への出資制限も緩め、株式会社の農業参入を促すことにした。売買、貸借をしやすくするため、農地取引を仲介する仕組みを原則としてすべての市町村に導入、全国的な農地のデータベースも構築する。

 違法な農地転用に対する罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)を強化し、病院や学校などの公共施設への転用も新たに許可の対象に加える。【工藤昭久】

 ◇農地法

 農地の所有、貸借、転用などについて定めた1952年制定の法律。戦前の農村を支配した大地主制への反省から、農地は耕作者自らが所有するという「自作農主義」を基本理念とする。農家の減少など情勢の変化を受け、貸借をめぐる規制などは徐々に緩和されてきたが、企業参入に厳しい制限を課すなど農業経営の効率化には不十分とされてきた。半面、宅地化や土地投機などを目的とした不正転用を防げず「ザル法」との批判も根強い。

 ◇改革プランの骨子

<農地転用規制の強化>

・病院、学校など公共施設への転用も規制対象に

・違反転用に対する罰則を強化する

<規模拡大と新規参入の促進>

・農地貸借を原則自由化し、株式会社参入も可能に

・農業生産法人への出資制限を緩和する

・20年を超える農地の賃貸借を認める

・農地取引の仲介機能を原則全市町村に導入する

・農地の地図情報を一元化(データベース化)する

毎日新聞 2008年12月3日 19時58分(最終更新 12月3日 22時43分)

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