ノーベル物理学賞を受けた益川敏英・京都産業大教授(68)が、8日にスウェーデン・ストックホルムである受賞講演を、全編日本語で話すことになった。日本人受賞者の受賞講演は最近はいずれも英語で、日本語は異例。共同受賞する小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授(64)も英語の予定だ。
益川さんは、小林さんらと共に、10日にストックホルムで授賞式に臨む。これに先立ち8日、ストックホルム大で約40分間の受賞講演をし、研究内容などを日本語で話す。同時に、内容の英訳をスライドで映すという。
益川さんは英語が大の苦手で、賞を受けた論文も益川さんの日本語を小林さんが英訳した。国際学会にも出席を断り続け、海外渡航は授賞式が初めて。
ノーベル賞関連の行事は英語が慣例だが、京産大によると益川さんは先週、広報室職員との打ち合わせで「英語の講演は不可能で話にならない」と話したという。【野田武】
毎日新聞 2008年12月2日 12時28分(最終更新 12月2日 12時40分)