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【大相撲】強敵・週刊現代記者が、横綱の取り組みを毎日チェックします

朝青龍、真剣勝負でまたも勝つ ~ 春場所10日目

OhmyNews編集部(2007-03-20 21:54)
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 「本当に、書いてよかったなと思っています」

 今場所について話す中で、武田頼政氏はしみじみ語った。彼は、『週刊現代』で角界の八百長疑惑を報じたことによって、横綱・朝青龍らの力士と相撲協会から訴えられたノンフィクションライターである。角界にはびこる八百長を告発され、真剣勝負をせざるを得なくなった今場所が、彼にとっては感慨深いようだ。今日の朝青龍戦もまた、そんな気分にさせてくれる一番だったに違いない。

 立ち上がり、右の下手を狙う琴光喜をかわし、朝青龍は右腿を掴む。それを解いた琴光喜は、くるりと体勢を変えて再び向かい合う形へ。真剣なまなざしでぶつかる琴光喜に、朝青龍は低い姿勢で応じ、右手も左手も寄せ付けない。最後は、こう着状態から離れて勢い余った琴光喜を土に押さえつけた朝青龍に軍杯が挙がった。決まり手は突き落とし。ダメ押しのように琴光喜に伸びた腕が印象的だった。

 「安馬の時なんかと全然違う。ああいう姿がガチンコの証明でしょうね」

 本日の一番は、『週刊現代』の特集の中でも大きく誌面を割いていた朝青龍対琴光喜戦である。朝青龍を相手に24連敗中だった琴光喜に疑惑の目を向け、武田氏は今場所の健闘を求めていた。そして今日の一戦は、彼の期待通りになったと言える。

 「本来の実力はそこまで伯仲していたということですね。今日後半の横綱は、守りに入っていました。琴光喜がこれまで24連敗していたことがおかしかったと証明したような感じです」

 『週刊現代』によると、武田氏の注目してきた過去24戦は、序盤が朝青龍の圧勝で、途中から朝青龍のシナリオによって攻防の様子が見られるようになったという。だが、今日の攻防は、最後までどうなるか分からないような真剣勝負そのものだった。

 「形にこだわらず、ただ勝ちたいという、横綱の熱い意思を感じました。これがガチンコの、良い相撲なんだなと思います。琴光喜がガチンコで挑んだことによって、同じ部屋の琴欧州もガチンコで臨む可能性が極めて高い。下馬評ではもう朝青龍対白鵬と言われていますが、見どころはほかにもあります。稀勢の里以降は余裕だった先場所までと違い、序盤に2敗もしている朝青龍は磐石とは言えないので面白くなりますよ」

 明日は、足の不安も抱えながら、カド番を脱出した大関・栃東が朝青龍と戦う。

 「万全じゃないことは分かっているけれど、死力を尽くしてほしいと思います。週刊現代の記事以降、みんなに言われているわけだから、足も折れるような勢いでやっていただきたいと思い、楽しみにしています」


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