大相撲春場所(大阪府立体育会館)7日目、結びの一番は横綱・朝青龍がスピードのあるすくい投げで春日王を破り、5勝2敗とした。無敗の大関・栃東、1敗の大関・白鵬、関脇・琴光喜を、ヒタヒタと追い上げている。
ノンフィクションライターの武田頼政氏は、この日の取り組みを 「予想通り。今日の取り組みは、各紙とも大きくは扱わないでしょう」 と切り捨てた上で、 「5日目の安馬、6日目の旭天鵬と、朝青龍にとっては2連休みたいなものだった。横綱に非常に優しい編成になっています。序盤戦で横綱が体制を整えられるよう、相撲協会が優しく編成したようにも感じられますよね」 と、『週刊現代』による八百長疑惑報道の中、初日から2連敗した横綱への“配慮”の存在を指摘する。 ただ、3日目以降5連勝中の朝青龍の取り組みぶりについては 「ものすごく慎重になっていると思います。勝敗が分かっている相撲とは踏み込み方が違う。やっぱり今回はそれ(八百長)がないのかな。だからこそ初日、2日目はバタついたのでしょう」 と好評価も。 さて、お楽しみは明日の中日である。武田氏が前々から予想していたように、朝青龍は稀勢の里と当たる。 「稀勢の里は、『左を差して出る』というだけのガチンコ力士です。これを朝青龍がまともに受けるのか。前々回のように蹴たぐりで逃げるのも無理だろうから、ガチで行くんでしょう。明日の一番は、横綱にとって試金石になります。もし負ければ、朝青龍は一気に優勝争いから脱落する。後半戦には琴光喜に栃東と天王山が入っており気が抜けない。明日以降がカギです」 前半戦を終わった春場所は、栃東が無敗で単独首位を走っている。もともと強い力士ではあるが、今場所の気合いの入り方は、時として朝青龍以上にも見えるほど。 今回の疑惑報道で、武田氏は「大きかったガチンコ力士栃東の変節」として、ガチンコ力士の代表格だった栃東が注射(八百長)相撲に転向したことを書いた。 「直撃取材で、『本当にやっていないのか』と聞いたんですが、(今も)マジで怒っているみたいです。今場所では、『俺には本当に力があるんだ、カネにも困っていない、まだ引退の時期でもない』という意地を見せたいのでしょう。顔は合わせられないけれど、ボクとしては嬉しいですけれどね」 取材した力士陣にそろって訴えられている武田氏。その微妙な立場からエールを送っていた。 【関連記事】 ガチンコで春場所初日から大荒れ!疑惑の朝青龍に土<初日> 朝青龍、連敗スタートで「いきなりがけっぷち」<2日目> 朝青龍、気迫の1勝目で立て直しなるか<3日目> 星戻した朝青龍、焦点は中日あたりか<4日目> 安馬になど負けない!朝青龍3勝へ<5日目> 朝青龍4連勝、だが格下相手に不安材料も<6日目> 朝青龍、明日・稀勢の里戦がカギになるか<7日目> 朝青龍、品ないケリでも優勝争いに名乗り<8日目> 「どうやって勝とうかな、っと」朝青龍ゆるい1勝で星伸ばす<9日目> 朝青龍、真剣勝負でまたも勝つ<10日目> 見えてきたストーリー、千秋楽に決定戦か<11日目> 朝青龍、順調に10勝目_明日の波乱はあるか?<12日目> 今夜がヤマ場だ!携帯飛び交う終盤戦の魅力<13日目> ついに追いついた朝青龍、白鵬への流れを止めるのか<14日目> あっけなかった決定戦、「でもこれこそガチンコだったかも」<千秋楽>
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