井戸知事への批判が「不適切」で一方的な件 (1)
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井戸知事への批判が「不適切」で一方的な件 最近流行していることのひとつに兵庫県の井戸知事たたきというのがある。 これについてはテレビの報道、ワイドショー、ネットの世論も見事に論調が一致していて 「けしからん」 「チャンスとは不謹慎」 というこの一点に集約されてしまう。 それは別にかまわないし、確かに 「関東大震災がチャンスになるかも」 というのは前後にどういう文脈があったにせよやっぱり不適切な発言だったとは思う。 何よりも神戸などで被災した県民が納得しないだろう。 だから、これを「不謹慎」と叩くのは自由なのだが、こういう一方的な批判をしている人達は、神戸の現状をご存知なのだろうか? 「もう震災から14年も経って街もすっかりきれいになって、復興が済んでよかったね」 というくらいの認識ではないだろうか。 神戸港は震災前は横浜港と並んで常に日本の貿易港として荷扱い量で1位、2位を争っていた。 1位、2位というのは日本国内だけでなくアジア全体でも1位、2位だった。 ところが震災で港湾施設に大打撃を受け、湾岸の神戸製鋼をはじめ工業も大きな打撃を受けた。 それはこの14年間ですっかり復興したのだが、貨物取扱量はこれほどの世界的海運好況が続きバルチック海運指数が急上昇した時期を経てもいまだに震災前の水準を抜くことができず、日本そのものが世界の荷扱い量ランキングベスト10から滑り落ちている水先案内人のようになっている。 やはり 「神戸は震災で港湾施設がやられたから、東京か釜山の方が便利かも」 というイメージで荷主が神戸を敬遠しているということがあるかもしれない。 そういう意味でも阪神大震災は兵庫と関西には大きな打撃だったが、それはどこか他の地域にとってはやはり大きなチャンスになった筈だ。 おそらく井戸知事はそのことを言ったのだと思う。 次に同じようなことが他の地域で起こった時に、兵庫と関西がそれを活かせないようではこの地域に未来はないというようなニュアンスで言ったのだと思う。 井戸知事という人は震災当時の貝原知事の時代に副知事になった人だ。 だから貝原知事が震災復興にいかに心を砕いていたかというのを間近に見ていたに違いない。 淡路島の花博も最初は関空の埋め立て工事で土砂を削り取られた荒れた土地を公園整備するという程度のアイデアで始まったのだが、 「兵庫県に観光招致をして復興の助けにしたい」 という思いが強く滲み出るイベントになった。 貝原知事はあらゆる機会を捉えて、復興のチャンスにしようとした。 神戸空港はちょっと行き過ぎで 「神戸と兵庫さえ浮上すれば関西全体は沈んでもかまわないのか?」 という批判もあった。 しかし、そういう思いがバックグラウンドにあったことは確かだと思う。 私は井戸知事は面識がないのでよく分からないが、貝原前知事はそういう人物だったので、その側近だった井戸知事の意図もそういうことではないかと推測する。 石原東京都知事が 「役人の浅知恵」 などという言葉を使って、この井戸発言を強烈に批判している。 東京都民の感情からいえば、 「他人の不幸を食い物にする相談をしやがって」 ということなのかもしれないし、そういう都民感情に迎合したこの人らしいデマゴギーな批判の仕方だ。 でもこういう批判の方が不適切だ。 関東大震災は別に井戸知事が引き起こすわけでもないし、井戸知事が 「オレが関東に震災を引き起こして関西のチャンスにしてやる」 と言ったわけでもない。そんなこと言ったらただの電波だ。 石原東京都知事が痛烈に井戸知事たたきをするのは、遺恨があるからだ。 石原知事は以前 「(兵庫県の)対応が早ければ震災の死者は2000人は減らせた筈だ」 という発言をして 「ろくに検証もしないでいい加減な数字を言わないでもらいたい」 と井戸知事にやりこめられ 「数字は間違っていたかもしれない」 とシッポをたれたことがある。 ここぞとばかりその時の恨みを晴らしているのだろう。 この人はかつてはビジョンを持った政治家に見えたが、最近はすっかりヤキが回っている。 そこらWikipediaにも関連記事があった。 井戸敏三Wikipedia