東京・渋谷で今年8月、20代の女性2人が刺された事件で、傷害罪などに問われた住所不定、無職、北川初子被告(79)に対し、東京地裁は4日、懲役4年(求刑・懲役6年)を言い渡した。秋葉康弘裁判官は「『寝泊まりする場所のあてがなくなったので警察の世話になるには大きな事件を起こすしかない』という動機は身勝手この上ない。厳しい処罰が必要」と述べた。
判決によると、北川被告は8月22日午後6時45分ごろ、渋谷駅前の歩道で「なにを楽しそうにしてんのよ」などと言い、果物ナイフで女性の左腹部を刺し、重傷を負わせた。約5分後、別の女性の左腕にも切りつけた。
秋葉裁判官は「被害者が幸せそうにしていたから、自分の不遇と比べねたましくなったと言うが、みな自分の思う通りにはならないという思いを抱いて生きています。もう少し、支える人々にありがたいという思いを持って毎日を生きていってほしい」と説諭した。【坂本高志】
毎日新聞 2008年12月4日 17時11分