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help リーダーに追加 RSS 稼働率100%ってどうよ?

<<   作成日時 : 2008/12/02 22:58   >>

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今回はかなり真面目に、いつもは少しオチャラける部分があるのですが、
人の命に関わる事なので真剣に書きたい。

稼働率
色々な業態で使われる言葉である。
生産設備の総数に対して、実際に動いている設備の割合を示す数値である。
パチンコ業界やホテル業界、工場なんかで使われる事が多いかもしれません。

もちろんこの数値、値が大きくなれば大きくなるほど、その業態は好調であるという事になるのだが、
この数値が高くなっては困る業態もある。
それは、医療関係である。

僕の住む札幌で去年、妊娠7ヶ月で生まれた未熟児が七病院に受け入れを断られ、8ヶ所目の病院に搬送された後、その10日後に死亡した問題が発覚した。
なぜ、去年の話が1年も経って発覚したのかはわからないのですが、
北海道の中で1番医療設備がしっかりしているはずの札幌で、こんな悲惨な出来事が起こったのだろうか
そこには、NICU(新生児集中治療室)病床の少なさに問題があるようだ。


画像

受け入れ拒否があった病院の一つ北大病院

NICUとは、超低出生体重児、低出生体重児や疾患のある新生児を集中的に管理部門。札幌市内では市立札幌病院や北大病院、札幌医大病院など計6ヶ所で48病床があるのだが、
その稼働率が100%なのである。

これ、利益を求めるところなら100%の稼働率はホクホク顔だろうが、
事、はっきり言ってしまえば人の生死に関わる所なのである。
その場所で稼働率100%と言われても嬉しくも何ともない。
怖いですよ。赤ちゃんを妊娠、出産する事が…。
医療機関は、
常に余裕がある稼動状態でなきゃいけないはずです。

受け入れを拒否した病院にはそれぞれ、
担当できる医師が他の患者の治療にあたってたとか、
NICUが満床だったとか理由があるらしいが…。
結局は、これって後付けの言い訳でしかないわけですよ。
人が死んだ事に関して、後付けの理由なんて必要ないわけでして、
何をどう言い繕うとしても、ひとつの命がなくなった事実の前には、偽善としか言いようがない。

病床数の問題にしても、おそらく行政は知っていたはずです。
もちろん稼働率も当然把握出来ていたでしょう。
それでも、病床数などを増やせなかったのは、地方自治体の財政もあるでしょうが、
根本的な医師の不足もあるのだと思います。

これも国の無策が生んだ悲劇だと思うんですよね。
あの小泉内閣で行った医療制度改革による医療崩壊などではないかと…。
このままでは、僕らは安心してと言ってはあれだが、病気にはなれないです。
早急に医師の数を増やし、救急医療の体制の見直しをしてもらいたい。
僕は、そこに多くの税金が投入されても、無駄使いでなければ国民は怒らないと思います。

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コメント(21件)

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はじめまして。

近年は新生児の総数に対して未熟児の確率が1割になるようで、そうなるとNlCUを必要とする新生児は当然ながら多いわけです。

だからといってNICUを増やしてもそれを扱う医師・看護師がいないとただの無駄遣いになります。

そもそも、一年前の出来事を今になって掘り起こすが如く報道に何らか意図的なものを感じなくもないです。
ただの通りすがり
2008/12/03 09:26
このニュース、正直札幌でもこんな事があるのかと驚きました。
札幌でこれでは、地方に住む人は子供は産めないと言う事です。
この件だけでなく、今、救急患者のたらい回しは全国的な問題になってるのにも関わらず、何もしない政府の無策ぶりにも呆れてしまいます。
少子化対策と言って置きながらこんな体制では、誰も子供を作らないと思います。
夜勤仲間
2008/12/03 10:24
今朝のテレビでもNICUを増やしたとしても医師の絶対数が少ないから意味がないと・・・
勤務医の過酷な勤務状態も問題になってますよね
産科や小児科のなり手が減っているのも
アメリカには、看護師と医師の中間にあたる資格を持つ職業もあるそうで、日本もその採用を検討中だといいますが、実施には法律の改正もからんで、簡単な事ではないようです

定額給付金を医療問題に使った方が、納得出来る気がするのですが・・・
John.John
URL
2008/12/03 10:34
このニュースは昨日から、見てます。
今朝も何度もやってました。
受け入れ態勢が整っていたら、この赤ちゃんは助かっていただろうと答える医師もいました。
本当に受け入れ拒否した病院のコメントには腹がたちます。

今の医療制度は、おかしいです。
抗がん剤治療をして、1回目が終わったら退院させられるんです。
熱があろうと、具合が悪かろうと1回目が終わったので、ベッドを空けてくださいって。
2回目も3回目も退院でした。
最後になって、延命治療が必要なときだけ、入院させてくれました。これは、叔母に起こった出来事です。
応援☆
ブルー・ブルー
2008/12/03 11:07
ただの通りすがりさんへ。
初めまして、コメントどうもありがとうございます
そうですね。この問題には医師の絶対数の不足と言う側面があります。
施設を作っても、それを機能させる人がいなければ宝の持ち腐れと言うことになってしまいます。

人材育成を国が真剣に取り組まなくてはいけないと思います。
産婦人科医だけじゃなく、看護する立場の人もすべてになりますが。
ブルースカイ
2008/12/03 12:34
夜勤仲間さんへ。
コメントどうもありがとうございます
正直、札幌でこのような問題が発覚したことに少なからず驚いています。
医療機関がたくさんあると思われていた札幌での問題、箱はあっても動かす人がいないと言う実情。
儲からないと言う理由で減り続ける小児科医、産婦人科医の問題。
もっと国が抜本的な解決策を提示しないと、いくら少子化を訴えても、それは絵に描いたもちになってしまいます。
ブルースカイ
2008/12/03 12:37
これを病院の責任するのはちょっと可哀想かもしれません。
選挙で選ばれた小泉さんの構造改革で病院も企業化されてしまい、それにより、こんな状況になったことも否めません。
無駄に余裕持って設備を作って使わないと経費がかかる。
他の人を受け入れたくても受け入れられる状況ではない。
そこで受け入れたら今いる人はどうなるか?
一概に病院を責める事は出来ない気がします。
私達に出来るのは…健康管理ですかね?
ユウカ
2008/12/03 12:41
私も報道を聞いて、あの有名な「北大病院」もと
疑いたく成りましたね・・・
 少子高齢者社会に反比例するような
新生児の保証も満足でない社会・・・
 受け入れ拒否の理由は何時も
担当医師が居ない・受け入れ病床が無い
そうかと言って、救急で行って断られたから
何処に行けと言うのか?救急だよ・・・
二時間3時間かけ、他府県に振り回され
素人が考えただけでも、其れで良いのかと疑います
生死に関わる事を、電話・インターホン一つで
断る矛盾を、こんな悲劇を何時も疑問に思っています
 昨日もニュースで大手の病院が、赤字経営で
存続出来ないので廃業するとの事=

 ブルースカイさんが仰る通り
此の問題は早急に、選挙や利潤ばかりで争う事ばかり
しないで一刻も、真剣に取り組んで欲しいですね
 現場で一生懸命に尽くしてくれてる
医師・看護士さんたちは、過酷な職業で頑張ってくれているんだから、国・厚生省も本気に成って遣って欲しいです=


mizocyan
URL
2008/12/03 14:30
John Johnさんへ。
コメントどうもありがとうございます
看護士の過酷な勤務体制は、色々な所で耳にするのですが、勤務医、特に産婦人科医も大変な状況だと言うのを最近知りました。

人材育成は、これからの医療を考える上でも重要な要素です。
決まった枠一辺倒ではなく、もっと頭を柔らかくして対応してほしいものですね。
そのためにも法律の整備は早急にしてもらいたいです。
ブルースカイ
2008/12/03 15:40
ブルー・ブルーさんへ。
コメントどうもありがとうございます
そんな辛い事があったんですか…。
本当に体調の悪い人が、入院等治療ができず、入院していてもチョロチョロと出歩く人が、いつまでも病院のベットを独占すると言う現状、何か狂ってしまってる気がします。

お金だけ払っていても、皆が安心して治療出来ない医療費なら、払いたくないと言う人が出てもそれを咎める事は出来ないのではないでしょうか。
僕はそう思います。
ブルースカイ
2008/12/03 15:47
ユウカさんへ。
コメントどうもありがとうございます
何でもかんでも数で押し切ってしまったあの小泉内閣、国民がいまだに彼に期待しているのを見ると、学習しないなぁ日本人はと思ってしまいますが…。

それはさておき、
病院を企業化してしまったのは、やはり問題だと思います。
私の身近にも、お金がなくて病院に行けないと言う方がいます。
日本国憲法第25条で保障されている生存権、この文章が記載されている意義をもう一度全ての人に問いたいです。
ブルースカイ
2008/12/03 15:53
mizocyanさんへ。
コメントありがとうございます
日本では救急と言う意味が判らず、病気ではなくても救急車を呼んだりするアホな連中もしますが、本当に必要な人が呼んでも、治療を受けれなければ、何のための救急医療だと問いたいです。

僕の個人的意見は、救急患者を拒否するような病院に、救急受付と書いてある看板は即刻撤去してもらいたい。
まさに看板に偽りありでしょう!

これこそ、偽装に他ならないと思うんですよ。
病床がなければ作ればいい。
機材がなければ、それまでの間延命治療すればいい。
患者の家族は、それだけでも精神的に救われると思うのです。
ブルースカイ
2008/12/03 15:58
こんばんは。

この問題はここの所、頻繁にニュスソースに登場しており、見聞きするたびにつらい話です。

この問題は根が深いと思います、先日麻生首相が医者の事をこけ落としましたよね、それくらい政治と医療界は隔たりが大きいと言う事を見せ付けられたわけですよ、アレに関しては医療界の方々に、この様な事態に対して知恵をお貸しくださいと言わなければいけないのに官僚よりなもんで批判してしまった結果だと思います。健康保険問題もしかり「床屋談義」では当たり前のように話題になってますよね、が総理大臣はそれをどうにかする立場でしょう、極めつけは今の若い母親に対する苦言、事あることに話題になる話し「バカ親」の話(学校とかで)でも全体が緩んでいるので誰も改善できていない「落ちこぼれ学校で喫煙室だとさ」そんな時に麻生さんは吠えろよ、だれか教えてあげてよ…と言いたい。だってくさっても鯛なんだからさ。
失礼しました。
マルコポーロ
URL
2008/12/03 20:35
こちらのニュース、私も見て「札幌でも・・・」と驚きを隠せませんでした。その番組で使われていた「受け入れ拒否」という言葉を、お医者さんと知り合いというコメンテーターさんは「拒否」と言う言葉を使われるのは少し悲しい気持ちになる。決して拒否したいわけでなくて、受け入れできない現状が・・・とのことでした。
NICUにおいても、以前より医療が発達したことにより受け入れの幅が広がって満床状態にも・・・とのこと。話を聞けば、いろいろ受け入れサイドの悩みも多いようです。かといって、命をこのような事態で落としてしまうケースが発生してしまうのは本当に避けたい事実ですよね。何か良い策が1日も早くでること、実施されることを祈るばかりです・・・。
第一滝本館 ブログ担当
URL
2008/12/03 21:40
マルコポーロさんへ。
コメントどうもありがとうございます
結局、政治家がリーダーシップを発揮して頂かないと動かないんですよね。
やはり主権者である我々に、せめて内閣総理大臣が変わる時は信を問う事をして頂かないといけないですよね。
ドンドン、リーダーの質が落ちてしまうのは日本人として恥じなければ行けない事です。
今のお飾りはホント何なんでしょうね??

彼を日本の立法府のトップと言うには悲しいですね。
世間を知らな過ぎます。
悲しいかな、すでに裸の王様と化してますね。

この問題を解決するには、本当に苦しい人達の立場になれる人じゃないとダメでしょう。
今の日本の政治家では無理かな…。
ブルースカイ
2008/12/03 22:45
第一滝本館 ブログ担当さんへ。
コメントどうもありがとうございます
この際言葉なんていい事だと思います。
確かに、病院の人員とか設備などで受け入れが出来ないという場合も出て来るでしょう。
でも、やはり患者サイドの心情を考えたら『拒否された』、『こいつらに殺された』と思っても仕方ないと思います。
それだけに逃げないでほしいんですよ。

確かに、設備のないところで受け入れて亡くなってしまうと批判も受けるでしょう。
でも、一番悲しいのは、『もっと早く受け入れしてくれる施設があれば助かったの。』この言葉ではないでしょうか。
言葉は悪いですが、人の命をたらい回しにする事は、どんなに著名な医者でも許される事ではないと思います。
ブルースカイ
2008/12/03 22:51
「確かに、設備のないところで受け入れて亡くなってしまうと批判も受けるでしょう」
現在はそんなもんじゃありませんよ。

「加古川心筋梗塞訴訟」や「奈良心タンポナーデ訴訟」のように、受け入れ態勢が不十分なのに受け入れた、もしくは専門医でない医師が治療を行った結果は民事訴訟においての多額の賠償請求判決です。
場合によっては「大野病院事件」のように執刀医が逮捕拘留されたり(逃亡の恐れなどなかったにもかかわらず)、「大淀病院事件」のようにマスコミによるバッシングの結果、地域唯一の産科が閉鎖されたり…となります。
ただの通りすがり
2008/12/03 23:51
今回の件について、私がよく参考にさせてもらっているブログを紹介します。

意図は? - 新小児科医のつぶやき
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20081203
ただの通りすがり
2008/12/03 23:53
3連続書き込みで申し訳ないですが、もう一つ。

こちらも私がよく参考にさせてもらっているブログです。
ぷにっと囲碁!なブログ | 「救急受け入れ問題FAQ」再掲
http://punigo.jugem.jp/?eid=488
ただの通りすがり
2008/12/04 00:06
ただの通りすがりさんへ。
ご意見ありがとうございます
ブログを見て来ました。
仰る事わかります。近年、医療事故による裁判で多額の賠償金を請求した裁判で、医師側が敗訴した事案も多数あるでしょう。
これにより、病院側が臆病になると言うのも判ります。

『大野病院事件』も医師の帝王切開手術により、産婦さんが亡くなった事件の事ですよね。
この当時は、マスコミがかなり騒いでいたのを覚えていますし、後の裁判で医師が無罪判決を受け、検察も控訴しなかった事件ですよね。
僕もこの裁判でこの医師が問われた、業務上過失致死による逮捕は間違いだと思いますし、
医師の立場を守る法律の整備も必要と言うこともあるとは思います。

でも、助かる可能性のある命が助からないと言うのはどうにも…。
この亡くなった家族側から見ると、やはり納得できるものではない。
自分の家族、大事な人がそうなったら、やはり許せないと感じると思います。

ブルースカイ
2008/12/04 00:22
あらら、コメ削除されちゃいました。
ただ、作者さんも僕のコメを読んだ上でのご判断だと思いますので一応、眼にはとまっているので覚えておいていただきたいと思います。
臨床を始めてから5年目ですが、ここ1〜2年間は本当に以上です。都内で受け入れ拒否などのも問題の裏には「彼ら」が2〜3割は寄与しているといっても過言ではないです。
ちなみに私は救急に疲れたので来年からは臨床から離れることになりました。
江戸川医師
2008/12/04 17:38

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