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割りばし事故:医師無罪確定へ 高検上告断念

 東京都杉並区で99年、保育園児の杉野隼三(しゅんぞう)君(当時4歳)がのどに割りばしを刺して死亡した事故を巡り、業務上過失致死罪に問われた医師、根本英樹被告(40)に無罪を言い渡した東京高裁判決について、東京高検は上告期限の4日、上告を断念すると発表した。根本医師の無罪が確定する。

 高検の鈴木和宏次席検事は「上告を求める遺族の意向を踏まえ、慎重に検討したが、上告理由を見いだせず、遺憾ながら断念せざるを得ないとの結論に達した」とのコメントを出した。

 06年3月の東京地裁判決は、無罪を言い渡したものの、根本医師の過失を認定。だが、先月20日の高裁判決では「CT(コンピューター断層撮影)検査などをすべき注意義務があったとは言えない」と過失の存在も否定していた。【岩佐淳士】

 隼三君の母文栄さん(51)は「9年もの長い間、最後の最後は隼三にいい報告ができるだろうと信じて闘ってきただけに無念の極みです。しかし、担当検事さんは起訴からずっと同じ方が一生懸命やってくださり、高裁判決後は涙を流してくださいました。上告を求める署名も全国から約2500人集まり、応援していただいた方々に心から感謝しています」と言葉を詰まらせて話した。

毎日新聞 2008年12月4日 12時15分

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