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【茨城】筑西市民病院 市長が民間移譲方針 『適切な医療提供のため』2008年12月4日
筑西市玉戸の市立筑西市民病院の経営問題をめぐり、冨山省三市長は三日、同病院を民営化する方針を明らかにした。市は今後、副市長を委員長としたプロジェクトチームを早急に設置。売却を含む譲渡の条件などを決め、公募する予定だが、移譲先が見つかるかどうかなど先行きは不透明だ。 (中西公一) 市長はこの日開会した定例市議会で、市民病院の経営改善について「医師確保に努めてきたが、依然厳しい状況」と言及。市議会が九月に提案した「民間移譲」と、新しい管理者が給与などを決める「地方公営企業法の全部適用(全適)」の二つの選択肢のうち、全適については移行しても医師の確保は困難との認識を示した。 その上で「市民に適切な医療を安定的に提供していくためには、民営化という選択肢をとらざるを得ないと判断した」と述べ、民間に移譲する方針を示した。 市民病院の経営をめぐっては、一九七二年の開院後、長期にわたって慢性的な赤字が続き、ここ数年は常勤医師が大幅に不足していた。 市が設置した委員会や市議会が二〇〇六年以降、病院の経営形態を議論して見直し案を市長に提言してきたが、市長は最終的な判断を保留。こうした中、病院は、市の一般会計からの昨年度繰入金が約十億円に上るなど、市の財政を圧迫し続けていた。 議会内では、今回の市長方針について「病院の存続が第一。廃止という最悪の事態は避けられた」と評価する声がある。一方で、「病院は老朽化しており、譲渡条件をよほどよくしないと手を挙げるところがないのでは」との懸念の声も出ている。
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