伊那中央行政組合は三日、理事会を開き、伊那市の伊那中央病院で扱う分べん(出産)料を引き上げる条例改正案を、議会へ提出することを承認した。来年一月スタートの産科医療補償制度の掛け金を含み、正常分べんにより一人を出産、六日間入院で四十一万五千円程度になる見込み。議会で議決されれば一月一日から改定する。 (林康雄)
同病院によると、現行の分べん料は、正常分べんの場合約三十四万円。旧市営伊那中央総合病院当時から二十年余据え置き、県内の分べんを扱う病院の中でも最も低額だが、実際の経費(三十八万円)がまかなえないのが現状。「赤字分を補てん、安心して分べんをしていただける医療体制を確保したい」と引き上げを検討してきた。
改定案は▽分べん料(一人、平日の診療時間内) 十二万円→十四万円▽新生児管理保育料(日額) 四千円→八千円▽妊婦健診料 三千五百円→六千円。他に分べんに関係した重度脳性まひの赤ちゃん、家族の経済的な負担を補償する産科医療補償制度の掛け金として、一件三万円が必要になる。
同病院は年間約千件余の分べんを扱っており、約四千万円の赤字になっている。組合議会は二十四日の予定。
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