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日帝支配が「祝福」だという捻じ曲げられた歴史観

 韓昇助(ハン・スンジョ/75)高麗(コリョ)大学名誉教授が日本の右翼月刊誌に「韓国に対する日本の植民支配は祝福」と主張する論文を掲載した。

 韓教授は「祝福」と主張する根拠として、「韓国が国権を失いかけた当時の状況で、ロシアに併合されなかった点」を挙げた。

 ロシアの支配を受けていた場合、共産化とスターリン統治下の大虐殺(1000万人以上)などを免れることができなかったはずだが、日本に合併されることで、民族を保全し、近代化が促進されたので幸いだというのだ。

 これは歴史認識も間違っている上、多くのことを学び、長い間、教鞭をとってきた人としての思慮深い行動とも言えない。

 韓日合併当時の韓国は、どうせ誰かの「えさ」になるほかなかったという話は、日本の右翼が植民支配を正当化するためにこれまで継続して主張してきた詭弁だ。

 このような話をこの地で耳にするなど、この上なく荒唐無稽だ。日帝の植民統治は韓国民の血と汗を搾取した。それだけでなく、韓国を日帝の附属品として挟み込むことで、国民国家レベルの完全な自生的近代化の道を捻ってしまった。

 民族を分け、凄惨な民族同士の戦いである韓国戦争や60年にわたる分断の種をまいたのも、日帝の韓国強占だ。問題の発言をした張本人も、このような簡単な歴史的事実を分からないはずはないだろう。

 それなのに、彼が「祝福」というとんでもない単語まで使いながら、このような主張を展開したことには、今日の流れを逆らい、新たな問題提起の意欲が働いたためかは知らないが、そうだとしても常識と正道をずいぶんと離脱したものだ。

 韓教授は「左派思想に立脚し、親日を無条件反民族行為と見なす人民裁判式の過去史論理を批判するため」、この論文を書いたと明らかにした。

 しかし、左派の誤った歴史観を直す事と日帝の韓国支配に対し「祝福」などという言語道断の主張を広げることは、まったく別問題だ。

 むしろ、そうであるほど、誰が見ても適切で深みのある歴史認識を提示することが、より多くのことを学んだ人の役目であり、長く教鞭を取った人の義務であろう。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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