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医師募集、登録は72人 広島県HP1年、想定上回る '08/12/3

 ▽着任2人 無医地区解消も

 広島県外の医師や医学生に広島での勤務を呼び掛ける県のホームページ(HP)「ふるさとドクターネット広島」が二日、開設から一年を迎えた。登録者数は当初見込み(五十人)の約一・四倍となる七十二人。これまでに二人が県内の医療機関に着任し、無医地区や分娩(ぶんべん)休止の解消に結び付いた。

 県によると、登録者は二十〜七十歳代の男女で、内訳は医師四十三人、研修医七人、医学生二十二人。登録時のアンケートで約四割が、十年以内を視野に県内での勤務を「考えている」と回答し、残りは「未定」か「無回答」という。

 同ネットをきっかけに、二人の医師が県内勤務を決断した。京都市内の病院長だった林重三氏は七月、大竹市の阿多田診療所に赴任。阿多田島は二十五年ぶりに常駐医が復活した。和歌山県内の病院の産婦人科医師だった高山保守氏は八月、尾道市の公立みつぎ総合病院に着任し、休止していた分娩を再開させた。

 県は、医師不足の解消を願う市町の要望を基に昨年十二月三日、同ネットを開設した。医療機関の求人情報や医学生向けの奨学金制度を紹介。登録者には電子メールで相談に応じるほか、県の医療提供体制などを紹介する「ふるさと通信」を郵送している。勤務の意思を示した場合は県の担当者が直接出向き、市町との調整や赴任のサポートを進める。

 医療政策課は「医師確保に成功した二例はいずれも住民の熱意が決め手となった。情報を発信し続けるとともに、市町との連携も強めたい」としている。(門脇正樹)




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